「一緒にいて心地いい人」が会話で意識している3つのポイント
PHPオンライン衆知 / 2025年1月16日 11時50分
作家の有川真由美さんは「どんな人でも、日ごろの小さな習慣によって"好かれる人"になれる」と語ります。本稿では書籍『なぜか好かれる人の小さな習慣』より、「一緒にいて心地いい人」になる習慣についてご紹介します。
※本稿は、有川真由美著『なぜか好かれる人の小さな習慣』(毎日新聞出版)を一部抜粋・編集したものです。
挨拶に一つか二つ、言葉を添える
「なぜか好かれる人」は、まるで気持ちのいい風が吹いているように、一緒にいると心地よく、安心できる人です。それは、性格や相性といったものだけではなく、相手を心地よくさせるような小さな習慣があるからです。
「一緒にいて心地いい人」になる習慣についてお伝えしましょう。
まず一つ目は、「おはようございます」「こんにちは」と挨拶をするときに、ありふれた言葉でもいいから、一つか二つ、言葉を添える習慣です。
「今日はやっと晴れましたね」「そのネクタイ、素敵ですね」「最近はお忙しいですか?」「先日はありがとうございました」など、なんでもいいのです。
すると、すべての人に対する礼儀としての挨拶が、その人ひとりに向けた雑談になります。
「今週はずっと雨でしたからね。今日はたくさん洗濯物を干してきました」なんて相手が乗ってきて、おしゃべりが始まることもあれば、「そうですね」と、そっけない返事のこともあります。それでいいのです。ひと言あるだけで、こちらから「仲良くしたいです」という好意を示せるし、相手との距離感も測れます。
とにかく、短い言葉のやりとりがあるだけで、その場の空気が流れ出します。互いの間の風通しがよくなり、重苦しさがなくなります。
前日に意見の対立でギクシャクしても、挨拶のあとにひと言あると、わだかまりが消えて、軽い空気になります。わざわざ声をかけたり、時間をかけたりする必要はありません。
顔を合わせたときのほんの10秒の積み重ねが、互いの好意を少しずつ重ねていくことになり、ざっくばらんに話したり、頼ったり頼られたりする心地いい関係をつくるのです。
反対に、会話のない関係は、空気が澱んでいるように感じられ、脆いものです。家族や職場など身近な関係ほど、このひと言の"風通し"を大事にしてください。
会話のなかに相手の名前をちりばめる
なぜか好かれる人が意識してやっている習慣で、もっともわかりやすいのが、相手の名前をすぐに覚えて、会話のなかにちりばめることです。
何年も通っているジムで、ずっと顔を合わせているのに名前を呼ばずに会話をするスタッフと、新人スタッフだけれど「アリカワさん、今日はヨガのプログラムがありますよ」「アリカワさんのシューズ、かっこいいですね」などと名前を呼んでくれるスタッフがいると、やはり後者のほうが好印象で、距離感が近くなるものです。
名前というのは、人生のなかでいちばん耳にして心地よく響く言葉で、その人の大切なアイデンティティ。繰り返し名前で呼ばれると、大勢のなかの一人ではなく、一人の人間として向き合ってくれていると嬉しく感じるもの。こちらも相手の名前も覚えて呼ぼうとするし、会話も増えていくのです。
「よし。名前を呼ぼう」と気負わずに、会話のなかでさりげなく「○○さんはどう思いますか」「△△さん、ちょっと質問してもいいですか」「この分野は、□□さんが詳しいですよね」などと名前をちりばめましょう。
名前がなくても会話は成立しますが、名前があるのとないのとでは、相手の対応もまったく変わってくるはずです。
初対面であれば、名刺をもらったり、自己紹介したりしたときに、「素敵なお名前ですね。初めてこの漢字の方に出会いました」などと少し名前に触れた直後から、会話に名前を入れていくと、スムーズ。声に出すことで、記憶にも定着していきます。
さらに、つぎに会ったときに「○○さん、ご無沙汰しています」などとすぐに名前が出てくると、「覚えていてくれたんだ」と、より好感度は上がるでしょう。
連想ゲームのように、名前となにかを関連づけておくのも、忘れないコツです。一度聞いたら、積極的に名前で呼んでくれる人は、いつも心が開いているので、好かれるのです。
自分のことを話しながら共通点を探る
私たちは、自分と似ている人、共通点のある人に親近感をもち、話もしやすくなります。年齢、出身地、趣味、仕事、好きな食べ物、やってみたい習い事、旅してみたい場所など、なんでもいいのです。人間同士であれば、共通点はいくらでもあります。
「この人と話すと楽しい」と思われる人は、「私は熊本出身なんですけど、○○さんはどちらですか?」なんて、自分のことも話しながら、相手との"共通点"を探ります。「長崎市出身? 同じ九州じゃないですか」など、多少強引でもいいのです。そこから親しみが生まれ、「長崎といえば......」など話が膨らみます。
私はコミュニケーションのセミナーを開くとき、知らない参加者同士でペアになってもらい、「5分間でできるだけレアな(珍しい)共通点を見つける」というワークをやっていました。すると、「年代、出身高校は別だが、部活動が同じで、監督が同じ先生」「同じミュージシャンが好きで、同じ日のコンサートに行っていた」など、
ものすごくレアな共通点が見つかるもの。すっかり盛り上がって、意気投合したペアは、セミナー後に連絡先を交換したり、お茶したりしていました。共通点があるということは、それに紐づく情報を多くもっていて、話題に事欠かない。
「そうそう!」と共感することもたくさんあるわけです。そして、「この人と話すと楽しい」と思うと、ほかの話もしやすくなります。
一見、年齢や職種、立場などが違う相手でも、「登山が趣味」「同じYouTube番組を見ている」「サッカー観戦が好き」「家庭菜園をやっている」など、好きなものが同じだと、一気に仲良くなれるものです。
「どうせ話しても噛み合わない」と思うのは、共通点探しを放棄した証拠。どんな相手でも「なにかの共通点はあるはず」という気持ちは、忘れずにもっていてください。
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