専門医が危険視する「股関節の痛み」を招く7つの動きとは?
PHPオンライン衆知 / 2025年1月31日 11時50分
YouTubeで人気の股関節専門医・医学博士の宇都宮啓先生が、股関節が痛む人にむけて絶対に避けたいNG行動や運動をランキング形式で徹底解説。痛みを悪化させないために、今すぐチェックすべき情報をご紹介します。
※本稿は、宇都宮啓著『股関節の痛みと悩みが消える本』(日東書院本社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
股関節に痛みを感じたら運動はNG
トレーニングのつもりでやっている運動が、じつは股関節に悪影響を与えていることもあります。ここでは股関節の痛い人が避けたほうがいい行為や運動をランキング形式で説明します。
第1位は「痛いのにやる」ということです。痛いということは、股関節内に炎症が起きている可能性が高いため、いちばんよくありません。レッドフラッグとよばれている安静時痛、夜間痛、歩行時痛があったら運動は中止してください。
第2位は「繰り返しの運動やダンス系」です。30~40代くらいになって、趣味としてダンス系のエクササイズを始めたとき、股関節が痛くなりやすい傾向があります。潜在的に日本人には寛骨臼形成不全の人が多いので、いきなり脚の開閉などを繰り返し行うことは股関節に負担をかけるようです。
インナーとアウターの筋肉のバランスが崩れているのに頑張ってしまうことで運動連鎖が偏り、炎症が生じていると思われるケースを目にすることがよくあります。
第3位は「トレッドミル」です。ジムにあるような、ベルトが後方に自動的に流れる上で走るランニングマシンですが、クッション性が股関節に響いて悪影響を与えている可能性と、固定したスピードで走り続けることで運動連鎖が偏る可能性があります。
外を走るときは自然にスピードを微調整しているため体幹を意識しながら走れますが、マシンの上だと速度をキープしようとして、少しずつ使いやすい筋肉を使ってしまうのではないかと考えられます。
第4位は「スクワット」です。「筋力が衰えてきたのでスクワットを始めたら、股関節が痛くなった」ということが高齢の男性でよくあります。スクワットは筋トレの代表格で、臀部や脚部などの筋肉を鍛えるものですが、鍛えられるのはアウターマッスルです。
インナーマッスルは使わなくてもできるので、インナーとアウターに50%ずつ負荷をかけるのが理想だとしても、体幹にスイッチが入っていないとバランスが崩れてしまう可能性があります。
第5位は「レッグプレス」です。マシンに座った姿勢になり、足の裏で重りを押し出す運動です。スクワットと同様に下半身の筋肉を鍛えられますが、これも体幹を使わなくてもできてしまい、インナーとアウターのバランスを崩す問題を秘めています。
スクワットとレッグプレスは股関節を深く曲げるので、Camインピンジメント(股関節の大腿骨側の骨と受け皿の骨がぶつかることで生じる病態)が起こりやすい姿勢です。
第6位は「脚の上げ下げ」。横向きに寝て、上側の脚を上下にスイングするものです。理学療法士やセラピストの方が推奨されることもあるトレーニングです。中殿筋ばかりを鍛えてしまい、バランスが崩れてしまうことがあります。
第7位は「ヒップクラムシェル」。横向きに寝て、股関節と膝が90度になるように曲げ、膝を開いたり閉じたりするものです。美尻効果があるといわれ、トライする女性が多いですが、調子を崩す方がいます。
1位から7位まで挙げましたが、どれも炎症が強いときに行うと逆効果になってしまう可能性があります。股関節に不調を感じたら、いったん中止することを考えましょう。炎症があるのに筋力をつけるトレーニングをすると、痛みを誘発する原因になります。
また、ひとつの筋肉を極端に鍛えると、アウターマッスルとインナーマッスルとのアンバランスが助長されて運動連鎖が崩れる恐れがあります。炎症があるときは股関節改善エクササイズの「Hip3」をおすすめしています(「Hip3」は私のYouTubeチャンネルで視聴できます)。
【宇都宮啓(うつのみや・はじめ)】
股関節鏡視下手術のスペシャリスト。米国におけるバイオメカニクス研究の経験をもとにした、最小侵襲の関節唇修復術を得意とする。人工股関節手術では筋肉を温存して行い、術後にスポーツ復帰が可能。股関節の機能診断とリハビリテーションが最重要と考え実践しており、セラピストからの信頼も厚い。約8割の患者さんは手術を必要とせず、リハビリテーションで満足のいく股関節機能改善が得られている。
2023年2月より開始したYouTubeチャンネル「股関節博士Dr.Jimmy」では股関節に関する情報をわかりやすく解説。これまでに200本以上の動画をアップしている。
YouTubeチャンネル『股関節博士Dr.Jimmy』
https://www.youtube.com/@dr.jimmy-jimmy
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