小沢事件 4億円借受金に政治資金規制法上の記載義務はない

NEWSポストセブン / 2012年4月10日 7時0分

 検察の執拗な捜査、繰り返される大メディアのリーク報道で国民に強く印象付けられた「巨悪政治家」小沢一郎のイメージは、一人の政治家を抹殺するに十分な威力だった。だが、その中には重大な事実誤認や虚偽であることが判明した。主なものを2つ解説する。

 小沢氏の資金管理団体「陸山会」は、2004年10月、秘書寮建設用地として世田谷区に土地を購入した。購入代金約4億円は小沢氏から借り入れられ、収支報告書には所有権移転登記が完了した2005年に記載された。

 これが政治資金規正法違反(虚偽記載)に当たるとして、東京地検特捜部は2010年1月、石川知裕衆院議員ら小沢氏の新旧秘書3人を逮捕した。現在の小沢氏自身の裁判は秘書と規正法違反を共謀したかどうかという点が争われている。

 まず第1点目は、そもそも4億円は規正法上、記載義務はあるのかという点だ。

 本誌取材に対して、総務省政治資金課は「一時的に用立てる借受金などは政治資金収支報告書に記載する必要はない」と回答した。つまり小沢事務所は、そもそも4億円を報告する義務はなかったことになる。

 現に個人的な運転資金の貸し付けなど、どの政治家も報告書に記載していない。小沢氏の元秘書たちは義務もないのに法の趣旨に沿って資金の出所をより細かく正確に書いたのに、銀行で借り換えたことを記載漏れしていた些細な問題を重大犯罪とされ、地裁も有罪判決を出した。

 次にいったん小沢氏が提供した4億円を、後に銀行借り入れに切り替えた点だが、4億円の現金があるのに、わざわざ同額の銀行融資を受けるのはおかしいと検察は主張する。

 だが、例えば2000万円の貯金を持つ人が2000万円のマンションを購入する場合、全額現金で支払うだろうか。ある程度頭金を払い、残りは住宅ローンを組むのが一般的である。

 小沢氏も公判で、手元に自由になる資金を残したかったと話しており、何ら不自然な点はない。

※週刊ポスト2012年4月20日号



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