大飯原発再稼働 “黒幕”の暗躍で急ピッチで進んだとの証言

NEWSポストセブン / 2012年4月16日 7時0分

 論理もクソもない狂気の原発再稼働が進んでいる。

 4月2日の参院予算委員会。政府が第1号として再稼働準備を進める関西電力大飯原発の安全性を追及された野田佳彦・首相は、「安全性のチェックが最優先だ」と約束し、枝野幸男・経産相が、「現時点では私も再稼働には反対だ」と言い切ったことは大きく報じられたから、多くの国民が証人だ。地元の福井県やおおい町は再稼働前に新たな安全基準策定を要求していたが、その時点では政府に何の準備もなかった。

 ところが、野田政権は翌3日の関係閣僚会合から、何かに取り憑かれたように再稼働に驀進する。野田首相が会合で「新たな安全基準をつくれ」と命じて新基準ができるまでが2日間、枝野氏が新基準をもとに関電に「安全対策を出せ」と指示してから提出まで3日間。わずか1週間足らずで安全かどうかの判断基準を決め、それに基づいて安全のお墨付きを与えるという離れ業を演じたのである。

 政府が関電の安全対策を承認した9日、枝野氏は記者会見でこういってのけた。

「再稼働基準をおおむね満たしている」

「おおむね」で動かされてはたまらない。あのアホの繰り言「ただちに影響ない」と同じ詐欺的論法である。

 しかも、その間、新基準や関電の安全対策の評価は野田首相と枝野氏、細野豪志・原発担当相、藤村修・官房長官の4人の閣僚だけで判断し、閣議にも、総理の諮問機関である原子力安全委員会にも諮っていない。

 いうまでもなく、再稼働には専門家による科学的な安全性の立証が不可欠だ。政府は安全確認の方法やデータを公開し、在野の科学者、専門家など第三者の検証が可能な体制を担保したうえで、信頼に足る専門機関が任に当たるのが当然である。

 科学的検証に「政治判断」が入る余地はなく、そこでの安全だという評価があった上で、次の段階で政権が再稼働を政治判断するのが筋だ。今のやり方は、素人大臣の政治的思惑で、自分たちさえ安全か危険か確信がないまま再稼働に向かっているだけである。

「原発4大臣」の背後には黒幕がいる。4月3日以来、関係閣僚会合の席になぜか民主党きっての原発推進派として知られる仙谷由人・政調会長代行が加わっている。閣僚会合の事務局である資源エネルギー庁原子力政策課は、「仙谷氏はあくまでオブザーバーで、それ以上でもそれ以下でもない」と説明するが、原子力の専門家に助言を求めるならまだしも、大臣でも専門家でもない仙谷氏が閣僚会合に出席する根拠はない。

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