勝谷誠彦 北朝鮮のミサイルがもたらした中国外交の“明暗”

NEWSポストセブン / 2012年4月23日 7時0分

『メルマガNEWSポストセブン』では、ビートたけし、櫻井よしこ、森永卓郎、勝谷誠彦、吉田豪、山田美保子…など、様々なジャンルで活躍する論客が、毎号書き下ろしで時事批評を展開する。本サイトでは4月20日に配信された12号より「勝谷誠彦の今週のオピニオン」を公開する。

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 外交が上手くいっていない今の中国にとって、インドとパキスタンが急接近していることも不愉快だろう。「敵の敵は味方」であって、インドと地域覇権を争う中国としては、パキスタンを影響下にとどめておきたいはずだった。ミャンマーと同じく「海への出口」でもある。それがインドと結ばれてしまえば、戦略は大きな変更を余儀なくされる。

 外交とは武器を使わない戦争だ。実際の戦争と同じく、相手が弱ってきたと見ると、攻める側はカサにかかって攻撃する。南シナ海では、中国におされっぱなしだったフィリピンが反転攻勢に出始めた。災害派遣を名目に、アメリカと大規模な合同軍事演習をしたのだ。これには日本の自衛隊からも幹部が参加している。日、米、比が手をたずさえて対抗する相手が、災害ではなく中国であることは明らかだ。

 こうして各地で守勢にまわっている中国としては、北朝鮮の振舞いはいまいましくて仕方がないに違いない。実は、北朝鮮のミサイル発射で、もっとも得をしたのは日本だった。これを奇貨としてあっという間に沖縄に自衛隊を展開したのだ。先の戦争のいきさつや基地問題もあって、沖縄では反軍感情がまだ強い。しかし、テポドンから国土を護るためだと言われれば、自衛隊を拒むことは難しい。

 かくして中国が虎視眈々と狙う「第一列島線」への自衛隊の配備が一気に出来たのだ。いったんは撤収したものの、これでアレルギーはかなり緩和され、今後の展開はずっと楽になった。

 これまでと違い、国連での北朝鮮への非難に中国が同調したのは、いかに頭に来ているかということを示している。

※メルマガNEWSポストセブン12号



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