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人生相談 無意識にどんな問題抱えているか見抜かないとダメ

NEWSポストセブン / 2012年5月10日 16時1分

 1965年、ニッポン放送で「テレフォン人生相談」がスタート。実に50年の長きにわたり、“時代の鏡”として人々に支持され続けてきた。人生相談には人を惹きつけてやまない、それぞれのドラマがあるが、その内容は時代とともに変わってきたのか。1970年代初めから番組に参加してきた作家の加藤諦三氏に聞いた――。

 * * *
 30年前は女性の悩みといえば「嫁姑問題」だった。それが「子育て」になり、さらに職場の人間関係など「仕事がらみ」とたどってきたように、時代の変遷で相談内容も変わるのは事実です。

 また、「最近なんだかギャンブル依存症に関する相談が増えてきたな」と思っていたら、そのあと新聞でギャンブル依存症が増えているという記事を目にした、ということもありました。紙面で読むよりも早く、寄せられる相談から実感していたんです。多くの人生相談が集まるこの番組が、“世相を映す”ということはできるでしょう。

 ただ、悩みや苦しみというものは、表に現われる現象に転嫁されるもの。生活様式が変われば、心の苦しみを投影させる対象も変わるのは当然のことであり、悩みの本質自体は30年前から何も変わっていないと私は考えています。

 では本質とは何か。それは「人は無意識に支配されている」ということです。悩みを持っている人は大抵、無意識下に問題を抱えている。その人が「これに悩んでいます」というものは、だいたい本当の原因でないんですよ。無意識にどんな問題を抱えているかを見抜かない限り、解決には向かわないんです。

 そこを突きとめて相談者に認めさせないと、相談者は先に進めないんですが、時には私がそれを認めさせることができず、物別れに終わることもあります。

 例えば「息子の担任の教師が気に食わない」という相談があったとします。担任に対する敵意はすごい。しかし、よくよく聞いてみると、どうやら夫婦関係がうまくいっていないようだ。でも、相談者にとってそれは認めがたいこと。夫婦関係という生活の根幹、これまでの人生の大部分を占めることの否定につながりますからね。だから、その敵意を担任に向けてしまったのです。

 これは「攻撃性の置き換え」といいます。でも、相談者自身がそれをどうしても認めなければ、平行線。最後までかみ合わないこともありましたね。(談)

【プロフィール】
加藤諦三/作家。1938年生まれ。早稲田大学名誉教授。専門は心理学、精神衛生学、哲学。近著に『うつ病は重症でも2週間で治る、もし……』

※週刊ポスト2012年5月18日号



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