女子バレー眞鍋監督 危機ではiPadでなく選手の目を見ての声

NEWSポストセブン / 2012年6月2日 16時0分

 日本女子バレーが五輪出場を決めた世界最終予選。手に汗を握るシーンで、眞鍋政義監督の手にはいつもiPadがあった。危機的状況でタイムの時にも、監督はしばしばiPadを見る。だが、データ分析が女子バレーの「最高の切り札」なの? と、作家で『五感のチカラ』著者の山下柚実氏は疑問を呈する。以下は、山下氏の視点である。

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  世界最終予選では4位に滑り込み、五輪出場を決めた日本女子バレー。お茶の間でもハラハラドキドキ、際どい試合の連続でした。

「世界一を目指すためになくてはならないもの それは世界一のデータと渡辺啓太というアナリストだ」。全日本女子バレーボールチーム・眞鍋政義監督の言葉です。

 日本の女子バレーが、五輪で「金メダルを狙う」と発言できるほど強くなったのは、データーバレーのおかげ、という説が有力です。刻々と変化する情報を収集・分析し、作戦を立て、監督の意志決定に有益な情報を届ける「データ分析」とそのアナリストの存在が大きいとか。

  たしかに、先日のロンドン五輪世界最終予選でも、手に汗を握るシーンで、眞鍋監督の手にはいつもiPadがありました。iPadはこの監督のトレードマーク。そこにはリアルタイムのデータが詰まっているらしい。
 
  たとえばその日のアタック決定率が数字で表示される。データを見て対処を変えていく。時には試合中に選手にiPadの画面を見せて、話をすることもあるそうです。

  データ分析力の有効性を示す一例が、「フローターサーブ」。眞鍋監督は大学の研究室に依頼し、新しいボールの特性を分析して、変化しやすいスピードを割り出したそうです。その結果、「ジャンピング・フローターサーブが最適」とわかったとか。

 選手たちには、それまでのサーブをフローターサーブに変更させ、見事に得点を稼ぎ出しました。データ分析の力がよくわかる事例です。
  
 しかし、スポーツは同時に、人間のドラマでもある。論理的なデータを活かすべきシーンと、瞬間的な動物的判断や人のメンタル的要素に勝負をかけるシーン、両方があるはず。
 
  データ分析が、はたして女子バレーの「最高の切り札」でしょうか? 今回の際どい試合を見ながら、素朴な疑問を抱いたのは私だけでしょうか?

 エース・木村沙織がアタックを打っても打っても決まらないシーンが続く。顔をしかめる。下をむく。暗いムードが漂う。世界一高い技術を持つと言われるセッターの竹下佳江のトスが、不調になる。思うように上がらない。単調な繰り返しに陥る。

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