野田・小沢会談 党本部で行なった背景に元代表への首相配慮

NEWSポストセブン / 2012年6月4日 7時0分

「乾坤一擲(けんこんいってき)」「一期一会(いちごいちえ)」「党議に反すれば党として対応する」――野田佳彦・首相は小沢一郎・元民主党代表との会談直前の5月28日、内閣記者会の取材に答えてそう語ったと大きく報じられた。

 そこだけ素直に読めば、「小沢との会談はこれが最初で最後。それでも反対するなら処分する」と、“小沢切り”を宣言した印象を受ける。

 しかし、実際の会見のやり取りを見ると、これらの言葉は記者たちが誘導して引き出した「言質」といったほうが正確なようだ。記者はまずこう訊く。

「小沢氏を1回で説得できると考えていますか?」

 それに対し、野田氏は「誠心誠意、腹を割って話し合い、理解いただくことを目指す」と答えている。すると記者が、「2度、3度会談することもあるのか?」と畳みかける。野田氏は、

「会う以上は乾坤一擲だ。一期一会のつもりでしっかり説明したい」

 と述べた。その後、自民党との増税法案協議の話題がひとしきりあった後、記者からこんな質問が出る。

「民主党議員が造反した場合は除籍など厳しい態度に出るのか?」

 それに対して首相は、「一般論としては、党議に反すれば党として対応するのが基本だ」と語った。

 これを受けて各紙は判で押したように、

「小沢と会うのは1回だけ。自民党との修正協議には前向き。造反議員は除籍」と報じたのである。最初から作りたい原稿が決まっていたような“名取材”だ。ほかならぬ野田グループ「花斉会」所属議員が新聞報道に呆れ顔なのだ。

「そもそも今回の会談は野田総理から申し入れたもの。それで“1回限りだ”なんて失礼な話ですよね。野田さんはそんな意図はなく、むしろ小沢さんと連携する道を本気で模索しようと考えている。そうでなければもっと早く自民党と手を組んでいますよ。しかし、新聞は『平行線』『決裂』としか書かないから、そういう雰囲気が作られてしまう」

 新聞だけではない。前原誠司・政調会長は5月29日の記者会見で、「妥協の余地は全くない。何度もやる話ではない。一発勝負でやって頂きたい」と発言。岡田克也・副総理も同日の会見で「乾坤一擲といわれた。1度でしっかり結果を出したいのが総理の思い」と、記者クラブと談合したかのように「野田ハシゴ外し」に加担している。

 もっとも、この“次期総理候補”の方々は、まだ既得権派の末席にも着かせてもらっていない。新聞の尻馬に乗る発言は、「9月の代表選に向けて、野田さんと小沢さんが接近することを警戒しているだけ」(前出・野田グループ議員)と馬鹿にされている。

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