NHK夜9時の顔・大越健介キャスター 週末は被災地で取材継続

NEWSポストセブン / 2012年7月23日 16時0分

 東京大学卒業後、1985年、NHKに入局。報道局政治部記者となり、2007年より、ワシントン支局長。2010年から『ニュースウオッチ9』キャスターを務めている大越健介さん(50才)

 近著・『ニュースキャスター』(文春新書)では、NHKの夜9時の顔である大越キャスターが、日々心がけていること、東日本大震災後の被災地、原発事故の報道にどう取り組んできたか、政治部時代に「橋本龍太郎首相誕生」をスクープした逸話など、ニュース番組の現場を明かしている。

 同書には、キャスターとして、現場を仕切る大越さんの本音が書かれている。特に私たち日本人を大きく変えた3.11。東日本大震災を経験し、キャスターとしても、価値観が変わってしまったと吐露する。

 放射線量のニュースをめぐって、福島・飯舘村の菅野典雄村長から放送中に抗議されたこと。福島第一原発事故で避難を余儀なくされた浪江町の女性から、放送後に届いた手紙に「美談の要素がはいりすぎて、東電の補償の矛盾に迫りきれていない」と書かれていたことなども綴られ、そのときに感じた気持ちが正直に語られている。

「傲慢ないい方をすると、森羅万象にちゃんと向き合って、わかるもの、わからないものも含めて正直に伝えなければいけないと思いました。自然の災害、あるいは人間が作り出した原子力発電所というもので、いともあっさりと、人々の命や暮らしが奪われた現実を見たときに、自分のやってきた報道は大事なことだったけれど、ほんの一部でしかなかった。わかっていたと思っていたことも、まだほんの一部だったと痛感しました」(大越さん)

 これを機に変わった。記者出身のキャスターとしてできるだけ現場を踏む。1度よりも2度、3度。3人よりも4人に話を聞けば少しでも実体に近づけると、大越さんは、いまも週末の休みを利用して、被災地に出向く。被災地の人々の思いを大切にした、地道な取材を心がけ、全国に伝え続けている。

※女性セブン2012年8月2日号



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