新聞世論調査より「Yahoo!みんなの政治」が実態反映との意見も

NEWSポストセブン / 2012年7月29日 7時0分

「小沢新党、期待せず79%」「消費増税法案可決を評価する45%」――と大々的に報じられる世論調査の結果に違和感を覚える人が多い。世論調査の数字は、本当に“民意”なのか、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏と長谷川幸洋氏が「世論調査ジャーナリズム」を論じる。

鳥越:国民とメディアと政治の関係について考えるとき、いつも私は太平洋戦争について思い起こします。日本の国民は最初から「戦争をしたい」と思っていたわけではないのに、メディアに戦意を煽られて大多数の国民が支持して戦争へと突入した。

 そのときのメディアは、世界情勢や戦況の真実を国民に伝えていないわけです。それどころか国民の心情を「鬼畜米英」へ誘導するように煽っていた。当時、世論調査はなかったと思うが、大半の国民は当然、「戦争やむなし」の方向に行った。

長谷川:太平洋戦争の例ですが、それとまったく同じことが、消費増税に関する世論調査についてもいえます。本来、社会保障の財源が足りないとすれば、それは保険料の値上げによって補うべきなのか、それとも増税によって補うべきなのか。

 仮に増税だとすれば、消費税が相応しいのか、それとも所得税なのか、法人税なのか。一方、歳出面ではどこに、どれだけの無駄があるのか――こうした全体的なピクチャーを国民に示して議論すべきなのに、ほとんどそれをしないまま、財務省が最初から「消費税ありき」を押し付けてきた。

 そして自民党、民主党といった政治側ばかりか、メディアもその理屈に乗り、それに沿った報道と社説を繰り返してきた。与えられる情報に偏りがあって、あらかじめ選択肢が狭められている。消費増税だけを決め打ちして世論調査で「消費税イエスかノーか」を問う形で行なってきたわけです。

鳥越:どうしたって、「増税やむなし」の結果が出るに決まっている。だから客観的な結果は期待できない。

 消費増税法案に賛成か反対を問う調査では、社によって極端な差がでた。6月の衆議審議の頃、同じ時期に行なった調査では朝日も読売も「今国会で増税法案を成立させるべきか」と質問したところ、「させるべき」が朝日では17%にすぎなかったのに、読売では64%もの高率だった。この結果を見れば、世論調査によって民意を図ることがいかに虚しいかがわかります。

長谷川:新聞・テレビの調査結果とネットのそれでも大きく異なることが多い。特に小沢氏に対する支持率がそうで、ネットでは非常に高い。「Yahoo!みんなの政治」などのほうが、調査主体に変な色がついていないだけに、世論の実態を反映しているのかもしれない。

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