歯の根管治療、値段だけで選ばず最新技術も重視を

NEWSポストセブン / 2019年3月19日 16時0分

根管治療に使われるラバーダム(筆者撮影)

「歯医者選び」は非常に難易度が高い。患者の視点に立てば、歯科治療はわからないことだらけだ。歯の「根管治療」をするにあたり、患者が知っておくべき最新情報を『やってはいけない歯科治療』著者のジャーナリスト・岩澤倫彦氏がレポートする。

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◆「値段」だけで選んではいけない

「根管治療」は、直径約0.3mmの根管(歯根の中の神経や血液が通る管)から、感染した歯髄や内容物を除去・消毒し、最終的に根管を封鎖してクラウンを被せる。悪化した虫歯から歯を残す最後の砦というべき治療法だ。東京歯科大元教授で、根管治療の専門家・中川寛一氏はこう話す。

「奥歯の根管はとても細く、湾曲や分岐していたりと、複雑な形状をしている場合があります。極めて難易度が高く、時間もかかる治療です。でも、保険の診療報酬はそれに見合う金額ではなく、歯科医には厳しいです」

 中川氏は保険診療でもマイクロスコープを使用しながら、治療を行なっているが、採算に合わないとして完全自費診療で行なう歯科医も増えている。費用の相場は奥歯で12万円前後、これにセラミックのクラウンを被せると、1歯あたり約20万~25万円になる。

「自費診療は富裕層向け、と言わざるを得ない金額ですよね。お金持ちだけが質の高い医療を受けられる、というのは疑問です。でも、保険で同じ材料、時間をかけると、歯科医は完全に赤字になります」(中川氏)

 不採算部門になることを覚悟で保険診療を続ける歯科医もいる。根管治療は単純に「値段=治療の質」ではない。では、どう選ぶか。

◆治療後に「X線画像を見せない」のはNG

 根管治療の完了後、X線画像を撮影してしっかり封鎖されているか確認するのが通常の手順だ。

 患者にX線画像を見せて、説明してくれる歯科医は、責任と自信を持って治療していると言えるだろう。

◆「ラバーダム」「マイクロスコープ」そして「専門医の資格」はあるか

 根管治療の際に、唾液などの侵入を防ぐ「ラバーダム」というゴム製シールドを使用した方が、基本的に成功率が高い。場合によって、ラバーダムが使用できない状況もあるが、保険診療で加算されないので、使用しない歯科医もいる。

 マイクロスコープは、手探りの根管治療を可視化して、飛躍的に治療精度を上げた。ただ、1台数百万円するので、保険診療では採算が合わない。

 ラバーダム、マイクロスコープを使って治療するのか、患者が事前に聞く方法は可能だろう。ただし、それだけでは足りない。

「マイクロスコープを使いこなすには、歯科医の技術と診断力が必要です。日本顕微鏡歯科学会・日本歯内療法学会の認定医、専門医は高いレベルのスキルを持っていると考えていいでしょう」(中川氏)

※週刊ポスト2019年3月29日号

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