証券会社が「野菜」を売る狙いとは? 大和証券社長が語る

NEWSポストセブン / 2019年4月17日 11時0分

──株を売り買いするだけの会社ではダメだと。

中田:本業の証券業務でも、昔ながらの手法を抜本的に変えようとしています。これまでは営業成績の競い合いが最優先でしたから、とにかく「今すぐ金融商品を買ってくれるお客様」を探していた。お客様も「すぐに値が上がる商品」を証券会社に求めていた。

 市場が常に拡大し、活性化しているならそれでいいが、これから求められるのはそういうやり方ではないでしょう。すぐに買ってくれるお客様、1年後には買ってくれるかもしれないお客様、あるいは数年後に相続などで資産管理を希望するお客様、いろいろな方がいる。その時々に大和証券を選んでいただけるようにしていかなければならない。

 そこで営業員の評価指標として、各支店で段階的に「お客様満足スコア」というものを導入しています。これが社員に浸透すれば、長期的にお客様のニーズを汲み取ることができるでしょうし、営業員のモチベーションも上がる。何より当社の10年後、20年後のビジネスを見据えた戦略を立てられる人材が出てくると考えています。

 2017年に営業職の定年延長の上限「70歳」を撤廃したのも、超高齢化社会を見越してのことです。今後シニア層のお客様が増える中で、年齢の近いベテラン社員にそれまで培ったスキルを活かして働いてほしい。

 証券業務、人材登用、そして事業拡大──いずれも「未来へのビジョン」が重要だと考えています。

【PROFILE】なかた・せいじ/1960年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、1983年、大和証券入社。2009年大和証券グループ本社取締役。専務、副社長を経て2017年4月より同社代表取締役社長CEO。

●聞き手/河野圭祐(ジャーナリスト):かわの・けいすけ/1963年、静岡県生まれ。経済誌編集長を経て、2018年4月よりフリーとして活動。流通、食品、ホテル、不動産など幅広く取材。

※週刊ポスト2019年4月26日号

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