子供がボール遊びで窓ガラス破損 親には注意・監督責任あり

NEWSポストセブン / 2012年8月8日 16時1分

 竹下正己弁護士の法律相談コーナー。今回は「子どもが窓を割りました。謝罪はどのようにすればよいでしょう」と以下のような質問が寄せられた。

【質問】
 子どもがボール遊びをしていた時のことです。子どもがボールを投げ損ねたために、近所の家の窓に当たり、窓ガラスを割ってしまいました。子どもはすぐに謝りに行ったそうなのですが、許してもらえなかったようです。このような場合の、謝罪の仕方などについてアドバイスをください。

【回答】
 ボール遊びで窓ガラスを割ったのなら、不注意があったといわざるを得ません。子どもの責任ですが、民法では自己の行為の責任を弁護するに足りる知能(責任能力)がない未成年者は賠償責任がなく、親権者である親が法定監督義務者として責任を負います。

 小学生以下は、物事の善悪を分かって法的責任の有無を知ることは無理で、責任能力がないと解されるのが普通です。監督義務者が監督を怠らなかった時には免責されますが、親に関して、実際にこの免責が認められることは極めて稀です。

 子どもに責任能力があっても、安心できません。最高裁は、未成年者に責任能力があっても、監督義務者の義務違反と未成年者の不法行為で生じた結果との間に相当な因果関係があるときは、監督義務者につき民法第709条に基づく一般の不法行為が成立するとしています。未成熟な子どもが社会人に成長する上で、親が子の監督義務を負うのは当然なのです。

 たとえば、普段から野球好きの中学生が小学校校庭でキャッチボールをし、それたボールが小学生に当たって死亡させた事件で、父親は危険のないボールを使用して野球をするように十分な注意を与えておらず、小学生がいる付近では格別気を遣って監督すべき義務があるのに怠ったとして、責任を認めた下級審判決があります。

 ご質問の場合も同様に、子どもがボール遊びをしていることを知っていれば、近所の迷惑になる場所では遊ばないように注意する義務があるといえます。当然、親のあなたの責任は回避できません。

 となれば、子どもとともに謝罪し、ガラス代を弁償した上で、今後は危険なボール遊びをさせないことを約束するしかないと思います。それでも許されないのであれば、致し方ありません。

※週刊ポスト2012年8月17・24日号



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