日本人は年間平均84食分のカレー平らげるとの調査結果あり

NEWSポストセブン / 2012年8月14日 16時0分

写真

カレーライスは日本人の国民食

 この季節に敢えて食べる人も多い、「カレー」。汗が噴き出す感じがたまらない。しかしインド発の料理がなぜ、「国民食」とまでなったのか。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が解説する。

 * * *
 日本人はカレーが大好きだ。カレーライスのバリエーションだけでもカツカレーやハンバーグカレー、ドライカレーのほか、牛丼との「あいがけ」など無数のメニューが思いつく。他の料理との交流も盛んで、そば・うどんなどのカレー南蛮、カレーパン、コロッケ、鍋、ラーメン、ピザ……。ご当地グルメでも北海道スープカレー、富山ブラックカレー、岐阜県・奥美濃カレー、北九州の焼きカレー、宮崎のチキン南蛮カレーなど、ありとあらゆる「カレー」が存在する。

 2006年のカレー生産量をベースにエスビー食品が算出したところによると、日本人は年間平均で「カレー」約84食分を平らげるという。老人から乳幼児まで含め、月平均で7食分のカレーを食べているというのだ(外食分も含める)。例えばもうひとつの手軽な「国民食」、インスタントラーメンの年間消費量は1人44食分(世界ラーメン協会調べ)。

 あらためて言うまでもないが、敢えて言う! カレーは日本の国民食である!

 さて、インド生まれ、イギリス経由で明治時代に日本に入ってきたと言われるカレーは、なぜこれほどまでに日本人に受け入れられたのだろうか。

 人間の舌が感じる基本味は、甘味、塩味、酸味、苦味、旨味の5つと言われていて、その「旨味」に関連する物質を発見してきたのが日本人である。1908年に東京帝國大学の池田菊苗がだし昆布からグルタミン酸を発見。その後、かつお節のイノシン酸、しいたけのグアニル酸など、次々に旨味成分を発見してきた。長く「出汁」文化が定着していた日本人は「基本味」の構成に敏感だったとも考えられる。

 しかし、カレーの主構成要素である「辛味」は5つある基本味には含まれていない。味覚には舌の味蕾細胞だけでなく、口内の「感覚細胞」も影響する。辛味は温度や痛みを認識する「温痛覚」で捉えられる。例えば唐辛子なら、辛味成分のカプサイシンにより「熱い」「痛い」と感じる。激辛カレーに対して「痛い」という表現をする人がいるが、あれは正しい反応なのだ。さらに「香り」も味わいの構成要件として欠かせない。

 カレーのスパイスに含まれる「温痛覚」に訴えかける「辛味」と、その渾然一体となった「香り」は明治時代の日本人にとって新鮮なものだったろう。しかもターメリック、唐辛子、生姜といったカレー粉の基本スパイスは体を温め、食欲を増進させる。身体にダイレクトに訴えかけてくる。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
NEWSポストセブン

トピックスRSS

ランキング