官邸デモは「政権打倒が目的でない」と主催者の一人Misao氏

NEWSポストセブン / 2012年8月17日 16時2分

「原発再稼働反対」を旗印にしたデモは、首相官邸前に毎週10数万人を動員するまでに巨大化し、ついに首相との面会目前まで辿りついた。このデモには明確なリーダーが存在せず、左翼団体の影もない。緩やかに個人が連帯することで規模を拡大してきたが、そうしたデモの特性は、すべて主催者の戦略だった。

 デモ主催者の名は「Misao Redwolf」という。長い髪を束ね、二の腕に彫られた大きなタトゥーがトレードマークの女性イラストレーターは、前例のない国民運動の戦略をどう描き、その目標をどこに据えているのか。“元ジャーナリスト”で自由報道協会代表の上杉隆氏に語った。

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 官邸前デモを主催するのは、反原発を訴えるグループや個人が連携した「首都圏反原発連合」(昨年9月結成)というネットワークである。この中のグループの一つ、NO NUKES MORE HEARTSの主宰を務めるMisao氏は、イラストレーターをしながら、5年ほど前から反原発の活動を始め、現在では官邸前デモを呼びかける中心人物となった。

 3月から始まった官邸前デモは、毎週金曜日の午後6時から8時まで行なわれており、老人から子供連れの主婦、会社帰りのサラリーマンやOLなど、多様な顔ぶれが参加する。「警察の誘導に従う」「8時になったらきっちり帰る」など、これまでの反体制デモとは一線を画した活動が注目を集める。

 だが、一方では規模の拡大に伴い、警察とのいざこざや、「野田政権打倒」などのメッセージが目立ち始めてもいる。このデモはどこに向かうのか。Misao氏に訊いた。

――どうして官邸前でデモしようと思ったんですか?

Misao:原発再稼働に関しては、世論調査でも反対が多いし、反対の署名も何百万人も集まっていた。でも、私が抗議する上で大事だなと思うのは、その数が可視化されるということだと思うんです。

 例えば、自分が何かに抗議されている者とした場合、「あなたのことを嫌ってるのが20万人いるよ」っていわれても、ああ、そうですかというだけ。ただ、それが可視化された状態で20万人に直接バーッと家の前まで来られたら、やっぱり、圧力を感じますよね。心理的に絶対そうなんですよ。だから、目に見えてるっていうのがすごい大事なんです。

 官邸前抗議を始めたのは、大飯原発の再稼働について、3月末に最終的な政治判断を4閣僚(野田首相、細野豪志・原発相、枝野幸男・経産相、藤村修・官房長官)ですることになったことがきっかけです。

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