小泉氏と小沢氏「勝負所」知る2人を小池百合子と大下英治語る

NEWSポストセブン / 2012年8月20日 7時0分

 小泉純一郎氏と小沢一郎氏という、ともに並外れた政局勘で政治を大きく動かしてきた政敵同士が、期せずして奇妙な共同歩調を取った。やはり、この2人が動くときが「政局」なのだ。

 小泉氏が次男・進次郎氏を動かして「3党合意を破棄すべき」と乱を起こさせると、すかさず小沢氏が中小野党をまとめて内閣不信任案を提出、自公に踏み絵を迫った。「近いうちに解散」政局の主役は、明らかにこの2人だった。言い換えれば、いまなお彼らにしか日本の政治が動かせないことを示したといえる。

 新進党、自由党で小沢氏と行動をともにした後、自民党の小泉政権下で大臣を務めた経験から、両氏を間近で見てきた小池百合子・衆院議員と、2人に関する多くの著作を持つ作家・大下英治氏が、2人の政局勘について語り合った。

 * * *
大下:今回、小泉さんが動いたのは驚いた。小泉さんは政界引退後、絶対政治的な動きはしないといっていたし、息子の進次郎氏にも、ああしろ、こうしろという指示は全くしてこなかった。それが今回は自ら石原伸晃・幹事長に「野党が解散権を握る政局などめったにない。チャンスなのになぜ動かないのか」とハッパを掛け、党幹部や派閥領袖にも電話しているようだ。

 進次郎氏が谷垣総裁に消費税の「3党合意破棄」を迫る緊急声明を提出したのも、父が初めて息子を動かしたんだと思う。動かないといっていた小泉さんの血が騒いだ。それが興味深い。

小池:血が騒ぐ、まさにそれだと思うんですよ。スイッチが入った。

――小泉氏にスイッチが入ったのは、増税に反対だったからか、それとも民自公路線に反対だからなのか?

大下:どちらの理屈でもないでしょう。何も動かなければ、総選挙はズルズルと来年になり、橋下徹・大阪市長が前面に出てきて自民党に不利な状況になるかもしれない。そうなる前に選挙をしたほうがいい。いまなら民主党を崩せるぞ、と。

小池:まさに政局勘というものですよ。ここが勝負所だと判断した。2005年の郵政解散(※)のときも、小泉さんは参院で法案が否決されたのに、衆院を解散した。一見、無茶だけど、小泉さんからすれば、ここは何があっても戦いだというスイッチが入っていた。

――今回の政局のきっかけは小沢氏の離党だった。

大下:それは間違いない。小泉さんは小沢離党を見て民主党が弱体化したから3党合意を破棄して不信任案で勝負をかけろといい、小沢さんはそれを逆手に取って先に中小野党で不信任案を提出し、自公両党に「あんなに批判していた野田内閣を信任するのか」と踏み絵を迫った。今回の動きで選挙は早まったから、どちらも有効だったんです。

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