「あなたはできるけど、できない人もいるんです!」の蔓延

NEWSポストセブン / 2019年6月3日 16時0分

中川氏のツイート

 

 どんな言葉も文章も、自分が主張したい内容にあわせた解釈しかしない。SNSで巻き起こる議論の多くには、勝手な思い込みによる言いがかりが含まれている。そんな騒動に巻き込まれたばかりのネットニュース編集者・中川淳一郎氏が、ネットに何かを書き込んで曲解する人たちの批判について、考察した。

 * * *
 5月下旬、「満員電車で痴漢から身を守るためには安全ピンで痴漢の手を刺せ」という反撃法の是非をめぐりネットで熱い議論が展開されていた。「その気持ちはよくわかる」といった賛同の声が出て、そうでもしなければ卑劣な連中を撲滅することは難しい、的な意見が出た。痴漢の被害に遭った人からすれば、そう思うのも理解できる。一方、「傷害罪になってしまうのでは」や「別の人間を刺した場合はどうするのか」といった異論も出た。

 この時に、つくづく感じたのが、ネットに何かを書き込んだら、曲解されるのは当たり前、ということだ。先日東京の満員電車がいかに不快かをツイートしたところ、思わぬところから反論が来たのである。まずは以下のツイートを見ていただきたい。

【中川淳一郎 @unkotaberuno
満員電車に乗らない生活になって21年。あぁ、楽だ。超絶ストレスでトラブルも発生するのが満員電車。なんでそんなリスクを冒してお前ら仕事行くの?と言いたくなると「そうせざるを得ないんです!」というクソ反論が来るが、それをしないでもいい人生が東京にはたくさんある。文句言う前にそれ試せよ
15:34 - 2019年5月26日】

 私のツイートに対し、「『満員電車に乗らざるを得ない生活をしているのならば、痴漢被害にも甘んじろ』というひどい発言」と解釈できる指摘が来たのだ。要するに私を「痴漢擁護者認定」したようなものである。

 私のツイートは、あくまでも「異常な東京の満員電車を回避するには、様々な手段がある。その手段を取る前に『できない理由』ばかり言うべきではない」、ということである。社会全体で、満員電車をいかに回避すべきかを考えるべきだと提案したのに、「満員電車と痴漢」ということに大いに関心がある人にとって、私のツイートは「電車に乗らざるを得ないような痴漢被害者は黙っとけ」と取られてしまった。

 元々ネットで何か意見しても曲解されたり揚げ足を取られるのは十分分かっていたが、ここまでの曲解は久々である。この文章もネットに出したら「痴漢擁護」と捉える人が出るのだろうな、やれやれ。

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