下痢と便秘を繰り返す血便、大腸がんのサインか

NEWSポストセブン / 2019年6月14日 16時0分

大腸がんは見逃しやすいがんのため要注意(写真/PIXTA)

 1981年以降、がんは男女ともに日本人の死因1位である。だが、日進月歩で新たな治療法が次々と生まれ、“不治の病”ではなくなりつつある。

 6月6日、京都大学の研究グループが、子宮頸がんの前段階である「子宮頸部上皮内腫瘍」の患者に薬を投与する治験を開始したと発表した。実用化はまだ先だが、若い女性に多い子宮頸がんの治療に明るい兆しが見えている。翌7日には、大阪大学と国立がん研究センターなどの研究グループが、大腸がんの初期に増える腸内細菌を特定したと発表。さらに研究が進めば、早期発見や治療につながっていくだろう。

 つまり、最新の医療をもってすれば、早期に治療をはじめ、体に負担をかけずに治すことも可能だということだ。

 裏をかえせば、発見が遅れるほど、最悪の状態に陥る可能性が高くなっていくということでもある。さらに女性はさまざまな理由で発見が遅れがちだという。あいクリニック中沢院長の亀谷学さんが言う。

「女性はがん検診の受診率も低いうえ、月経や更年期障害などが原因で、慢性的に体の不調を感じる人も少なくありません。がんの種類によっては、そうした女性特有の症状と混同しやすく、気づきづらいといえます」

「なんとなく調子が悪い」は体が発する大きな病気のサインかもしれないのだ。

 医師たちが「見逃しやすい」と声をそろえるのが、女性のがん死因トップの大腸がんだ。東京ミッドタウンクリニックの森山紀之さんが言う。

「大腸がんがある程度進行すると、下痢と便秘を交互に繰り返す症状が出てきます。大腸にできた腫瘍のせいで腸が細くなり、細くなった腸の上部に便がたまって便秘になる。便秘が続くと、今度は便を出そうとして腸が水分を取り込んで便を溶かし、下痢になるという流れです。下痢と便秘の頻度は、3日に1回や、1週間に1回など個人差があります」

 女性はホルモンバランスの乱れや腹筋が弱いことが原因で、もともと便秘になりやすく、便秘薬を慢性的に服用する人も少なくない。そのため、こうした症状を見逃しやすいという。森山さんが続ける。

「特に高齢になるほど、便秘薬を日常的にのんでいる人が多いので、便秘や下痢が交互に起きてもわかりづらい可能性がある。たとえば、薬をのまなくても便秘の後に妙に快便が続くなど、体がいつもと違う状態にある時は気にした方がいいでしょう」

 便秘と下痢の繰り返しと並ぶ大腸がんの兆候は血便だ。大便に血が混じったら、大腸がんの疑いがあるため病院で検査を受けた方がいい。

「しかし女性は生理があるため、血にそれほど違和感を覚えず病院に行くのが遅れることがある。男性でも発見が遅れるのは痔のあるかたが多い。血を確認していても、ただの痔だと思って放置してしまうのです。毎日必死に大便をチェックする必要はありませんが、時折確認するようにしましょう」(森山さん)

 いちばんの対策はがん検診だが、「女性は便潜血検査や内視鏡検査を避ける傾向がある」と森山さんは指摘する。

「さらに便潜血検査で陽性反応が出ても再検査に来ない人が多いと感じます。大腸がんは基本的に進行が遅く、ある程度進行しても治る可能性が高い。にもかかわらず女性の死亡率が高いのは、症状が出ていても放置しているのがいちばんの理由ではないでしょうか。兆候を見逃さないようにキャッチしつつ、便潜血検査は年に1度、内視鏡検査も40才を超えたら1回は受けてほしい」

※女性セブン2019年6月27日号

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