室井佑月も告白、豊胸手術が乳がん発見遅らせるリスクも

NEWSポストセブン / 2019年7月18日 11時0分

豊胸したのは「若気の至り」と話す

「闘うという気持ちはない。がんになったから、逆にいいこともあるだろうと思うので、馬券か宝くじを買いたい」

 乳がんを患ったことをスポーツニッポン(7月10日付)の取材に告白したのは、作家でタレントの室井佑月(49才)。

 7月初旬に右胸に違和感が生じたという。触ってみるとしこりがあり、病院へ。ステージIの乳がんでリンパ節には転移していなかった。8月9日に右乳房の一部を摘出する手術を受ける予定だ。

「室井さんは糖尿病持ちのため3か月に1度の血液検査を受けていたものの、乳がんの検査であるマンモグラフィーは受けていませんでした。その理由について彼女は『若い頃に豊胸手術をして、乳房の下に生理食塩水を入れたから、検査が受けられなかった』と明かしたのです」(スポーツ紙記者)

 この告白が、医療関係者の間で議論を呼んでいる。

「実は豊胸手術が原因で乳がんになったという話は珍しくありません。豊胸手術と乳がんに直接の因果があるかは難しいところですが、豊胸したことがバレたくなくて検査を受けなかったという人は本当に多い。それが原因で命を落としたかたもいます。今回、室井さんが豊胸手術を受けていたことを告白してくれたことで、この流れに歯止めがかかればいいのですが…」(医療関係者)

 室井が受けたのは、生理食塩水の入ったバッグを胸部に挿入してバストアップさせる豊胸手術だ。

 乳がん検診では、視触診、超音波検査、そして乳房専用のX線撮影をするマンモグラフィーの3種類が一般的だ。このうち、検診により死亡率減少の確証が得られているのは、マンモグラフィーのみである。注意すべきは、豊胸したらマンモグラフィーを受けられないケースが多いこと。

 乳がん検診を管理する「日本乳がん検診精度管理中央機構」は、豊胸手術実施者へのマンモグラフィーを原則として禁止している。ベルーガクリニック院長の富永祐司さんが指摘する。

「マンモグラフィーは乳房を強く圧迫するため、豊胸手術の際に胸部に挿入したバッグが破裂する恐れがあるので、禁止されています。ただ、乳がんなどの疑いがあり、検診ではなく診察となる場合は、各医師の判断に委ねられます。なかには破損リスクを恐れて、豊胸手術をした患者にマンモグラフィーを実施しない医師もいます」

 また豊胸手術後にマンモグラフィーを受けたとしても、「見逃しリスク」が生じる。

「マンモグラフィーで撮影しても豊胸手術で挿入したバッグとがん腫瘍が重なってしまい、がんを見落とすリスクがあります」(富永さん)

 医療経済ジャーナリストの室井一辰さんはこう話す。

「2018年に米国のジョンズ・ホプキンズ大学がマンモグラフィーで乳がんが見つかった人を調べたところ、豊胸手術をしていない群のうち、マンモグラフィーで発見された人は90.7%でしたが、豊胸手術をしていた群は77.8%と低くなりました」

 2013年にカナダの疫学者らが行った調査でも、豊胸手術をした女性は乳がんの発見が後期まで遅れるリスクが26%ほど高かった。つまり、豊胸手術そのものが原因で乳がんが発症するわけではないが、術後は乳がんを検査する機会が減ってしまい、また、豊胸によってできたしこりが乳がんを見つけにくくするため、たとえ検査ができても見落とされるリスクがある。

※女性セブン2019年8月1日号

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