気管支喘息、消化性潰瘍、リウマチ 痛みを抑えられる時間帯

NEWSポストセブン / 2019年8月4日 16時0分

薬が最も効くのはいつか

 実は薬は「何時に」服用するのかが重要なのだという。薬の最も服用効果がある時間を研究する「時間治療」の研究が進められている。九州大学大学院薬学研究院の小柳悟教授が語る。

「病気や症状が悪化する時間に合わせて薬を服用するというのが『時間治療』の考え方です。薬によって、飲んでから効果が出るまでの時間は異なるため、それぞれの薬の飲む適切な時間を知ることが大切です」

 例えば、持病が悪化しやすい時間帯が、古くから判明していたのが「気管支喘息」だという。

「1000症例以上を調べた研究で、喘息の発作は午前0時~6時に集中していました。発症頻度は、昼間に比べると400~500倍という報告もあります。夜間の発作時にきちんと薬が効くためには、夕食後から就寝2時間前までに飲むことが大切です。ただし、夕食後といっても、あまりに早く飲みすぎると、本当に効いてほしい真夜中までに薬が代謝され、効果が薄まってしまう場合もあるため注意が必要です」(同前)

 胃腸が弱い人や、消化性潰瘍を患っている人は、「H2ブロッカー胃腸薬」(ファモチジンなど)の服用時間に注意したい。

「夜は副交感神経が優位になり、消化管の活動が活発になるため、胃酸の分泌が盛んになります。ファモチジンなどの胃腸薬は胃酸の分泌を抑える薬で、朝食後と夕食後の2回処方が多いのですが、とりわけ重要なのは、胃酸分泌が活発になる夕食後の服用です。夕食後と朝食後を比較すると、前者のほうが服薬の効果が大きいことが研究から分かっています」(同前)

 九州大学薬学研究院では、「痛み」に関しても最先端の研究が進められている。

「関節痛や神経痛は、夜間から朝に欠けて最も痛みが強くなります。関節が変形して痛みが生じたり、腫れて指が曲がらなくなるなどの症状が出る『リウマチ』は、明け方の痛みが最も強い。リウマチの炎症を起こす物質は夜間に体内で作られるので、それを抑えるために『抗炎症薬』を就寝前に飲むと効果が高いと報告されています」(同前)

 ただし、『非ステロイド系抗炎症薬』の場合、胃が荒れやすくなる副作用がある。胃はもともと夜間に荒れやすくなるため、胃粘膜を保護する薬も合わせて処方されるケースが多いが、副作用の疑いがあれば主治医に相談する必要があるという。

 国内で600万人以上の患者がいるとされる「神経障害性疼痛」の治療薬も、「夜に強くなる痛みを抑えるため、夕方から就寝2時間前の服用が望ましい」(同前)という。

 ただし、これらの薬の服用時間を知ったうえで、注意すべき点もある。

「『体内時計』のリズムは人それぞれ異なります。あくまで目安として考えて、実際に服薬タイミングを変えたいと思う方は必ず主治医に相談してから決めてください」(同前)

※週刊ポスト2019年8月9日号

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