多部未華子演じる経理部員 「不正領収書」がなぜわかるのか

NEWSポストセブン / 2019年8月9日 16時0分

番組公式HPより

「会社の経理の話なんてドラマになるのか」という大方の予想を裏切って、『これは経費で落ちません!』(NHK、金曜夜10時)が初回視聴率6.5%を獲得した。これは同枠のこれまでの視聴率や、他局に「金曜ロードショー」など強敵が揃っていることを加味すれば、上々の出来と言えるだろう。

 多部未華子演じる経理部の中堅社員・森若沙名子が他部署の不正を次々暴いていく、お気楽、痛快路線かと思えば、実際見てみると、経理という仕事の深層に迫っていく本格派ドラマであることがわかる。

 その中で取り沙汰されるのが、領収書の不備、不正の問題である。領収書の場合、不正といってもその程度はいろいろだ。本人が勘違いしていたとか、これくらい認められるだろうと安易に考えていたような意図しないものから、確信犯的なものまでさまざまある。

 第1話では、営業部の若手エース・山田太陽(重岡大毅)が領収書の費目を取り違えていたケースを扱ったが、第2話では広報課で広告塔の役割もこなす皆瀬織子(片瀬那奈)の公私混同にクギを刺す場面もあった。取材を受ける際に着る服を「衣装代」として経費にしていたのである。出された明細には「ワンピース87000円」の文字が──。

 領収書の不正にはどんなパターンがあるのか。数社の大手企業で経理部長を務めた後「フリーランスの経理部長」として活動し、『職場がヤバい! 不正に走る普通の人たち』(日本経済新聞出版社)の著書がある前田康二郎氏に聞いた。

「領収書の不正は主に3パターンあります。【1】私物の領収書を紛れ込ませる、【2】数字を書き足すなど領収書の改ざん、【3】は【1】と【2】のミックス。たとえば、行きつけの飲食店で白紙の領収書をもらって金額を書き込んで提出するような場合です」(前田氏)

 第2話では、広報部の皆瀬織子がCM制作用カメラの購入費として40万円の領収書を提出してきた。森若は、「カメラはCM制作会社が用意するものでは?」と疑問を持つ。実は、皆瀬の年下の夫は売れない映画俳優兼監督だった。そしてその夫が件のカメラを使って自主製作映画を撮影していたことを、森若は突き止める。つまり、皆瀬は会社の経費で、夫のためのカメラを買ったのではないか。

 それでも広報部の稟議も下りているし、今後マークしようということで経理部内では話がつく。このような場合は、【1】の中でもやや確信犯に近いケースと言えるのではないだろうか。

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