「冷凍チャーハン」100億円市場、各社こだわり開発の舞台裏

NEWSポストセブン / 2019年9月1日 11時0分

冷凍食品メーカー各社はさまざまなチャーハンを市場に投入ししのぎを削る

 ふっくら、パラパラ。ご飯1粒1粒に卵と油が絡まり、黄金色にキラキラと光る。中華料理の定番「チャーハン」は、多くの人に愛されてきた。そんなチャーハンを家庭でも気軽に楽しめるようにしたのが、「冷凍チャーハン」だ。

 日本冷凍食品協会の統計によれば、2017年度の冷凍食品国内生産量において、チャーハンは品目別で「コロッケ」「うどん」に次ぐ3位。過去3年で4つ順位を上げており、その人気ぶりがうかがえる。ほかの米飯製品も寄せ付けない。

 そのパイオニアといえる存在が、冷凍食品大手ニチレイフーズの「本格炒め炒飯」だ。2001年に発売されたところ大ヒットした。以来、冷凍チャーハンのカテゴリーで18年連続売り上げトップを走っている。日経POSデータによれば、2019年上半期の新製品売れ筋ランキングで、飲料、酒類、菓子以外の「その他食品」部門で1位だ。

 テレビ番組にも登場する“冷凍王子”こと冷凍食品開発コンサルタントの西川剛史氏は、「私自身、大学生のとき初めて食べて衝撃を受けた一品。冷凍食品に携わる仕事をしたいと思うようになった思い出深いチャーハンです」と語る。専門家にそう言わしめるほどの強さの理由は、一体どこにあるのか。

「本格炒め炒飯が、冷凍チャーハン市場の分岐点となった」。そう語るのはニチレイフーズ経営企画部広報グループリーダーの奥村剛飛氏。1990年代までの冷凍チャーハンは、チャーハンの風味を出す中華調味料を加えたピラフに近いものだった。

 だが「本格炒め炒飯」はその名の通り、業界で初めて、鉄板を使った「炒め」の工程を採用したチャーハンだ。そもそもプロの料理人が作るチャーハンは、とにかく強火の油で炒めるのが特徴だ。プロならではの「パラパラ」感を出すには、この工程が不可欠だった。

 ニチレイフーズの工場の製造工程ではプロの手順を忠実に再現。卵を入れたすぐ後にご飯を入れ、すばやく攪拌して油で炒めることによって、ご飯1粒1粒に卵がコーティングされる。数十億円を投資し、これらをすべて機械化した。焦げを取るなどの作業は人手で行うという。

「料理人は1回に1人前しか作らないが、工場では1日数万食単位で生産する。量が多いと品質もぶれやすいが、品質を安定させるために独自のノウハウが生きている」(ニチレイフーズ・奥村氏)

◆「250度」がもたらしたもの

 本格炒め炒飯は今やニチレイフーズにとっても屋台骨の商品だ。2017年にはこの1商品だけで年間売上高が初めて100億円を超えた。発売以来毎年50億円前後で推移していたが、2015年春の大規模なリニューアルで流れが変わったという。

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