GSOMIA破棄なら半島危機も ソウルが金正恩に占領される

NEWSポストセブン / 2019年9月3日 7時0分

ソウルが火の海に?(Sipa USA/時事通信フォト)

 韓国・文在寅政権が破棄を決定したGSOMIA(軍事情報包括保護協定)について、「協定破棄で大きなリスクを負うのは、むしろ韓国のほうだ」と専門家は指摘する。海上自衛隊で自衛艦隊司令官(海将)を務めた香田洋二氏はこう語る。

「喫緊の課題である北朝鮮の弾道ミサイルに対する防衛に着目すれば、韓国が被るダメージが大きいと考えられます。1998年のテポドンの日本列島上空通過を受けてミサイル防衛システムを整備した日本の場合、破棄されても協定があった時を仮に100点としてみれば、およそ及第点85点の水準を維持できます。しかし、韓国は自前のミサイル防衛システムを持っていません」

 それだけではない。日本は事実上の偵察衛星である情報収集衛星を7基運用しているが、韓国の保有はゼロだ。

「P-1、P-3Cといった洋上哨戒機を日本は73機保有していますが、韓国は18機。電波情報収集機という最新鋭の航空機を日本は5機保有していますが、アメリカ以外で運用しているのはわが国だけです。GSOMIAの破棄の結果、韓国は高度に整理されたこれらの情報を共有する資格を失います。今後、北朝鮮が今にもミサイル攻撃を始めるという段階に至った際、情報を入手できない事態に直面するでしょう」(同前)

◆ソウルは3日で占領できる

 さらに深刻なのは、アメリカの信頼を失ったことだ。エスパー米国防長官はわざわざ8月上旬に訪韓し、〈GSOMIA維持〉を求めていたが、韓国は反対に、破棄という選択をした。

「GSOMIA破棄は、この協定を〈対北侵略同盟の象徴〉と見る北朝鮮が求めてきたことです。同盟国であるアメリカの要求より、仮想敵である北朝鮮の言い分に従った格好で、米韓同盟の根本に疑問を投げかけたに等しい」(同前)

 韓国は、戦後一貫して米国と行動をともにすることで自国の安全保障を確立してきた国だ。韓国国防部(省)も継続を求める中、青瓦台(大統領府)主導の今回の決定に、不穏な兆候を感じるのは軍事ジャーナリストの井上和彦氏だ。

「GSOMIAの維持の要請と並行して、韓国はアメリカから在韓米軍の防衛費分担金について現在の1兆389億ウォン(905億円)から約5倍に引き上げるよう圧力をかけられていました。あくまで推察ですが、北朝鮮に対する思い入れから南北統一を目指す文在寅政権はアメリカの要請に反する協定破棄の決定を通じて、暗に〈在韓米軍も撤退してほしい〉と伝えようとしていたのではないか」

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