売らないペットショップが登場、命に値段つけることに疑問

NEWSポストセブン / 2019年9月23日 16時0分

「pecos幕張新都心店」(千葉県)内にある「neco.LIFE HOUSE」

 日本では法律上、ペットはモノとして扱われるため、値段がつけられて売買される。しかし最近では、命あるものに対し、それはいかがなものかと、生体販売を止めるペットショップが登場。変わりゆくペットショップの在り方をレポートする。

 千葉県千葉市にある「animal life(アニマルライフ)千葉本店」には現在、猫が7匹、犬が6匹暮らしているが、この子たちは“売り物”ではない。みんな保護猫・保護犬で、ここで新しい家族との出会いを待っているのだ。

「以前は、生体販売をする普通のペットショップでした。しかし、ペットブームの裏で多くの命が犠牲になっていることに疑問を感じ、生体販売をやめることにしたんです」と話すのは、代表取締役の長野礼子さんだ。

 2016年7月に、動物病院を中心にトリミングサロンや老犬・老猫ホームなどを併設した複合施設にリニューアル。ペットの販売はやめ、動物愛護センターや保健所から猫や犬を引き取り、里親探しの手伝いをしている。

「動物病院を併設しているので、避妊・去勢手術や各種予防接種を行うのはもちろん、病気があれば治療もしています」(長野さん)

 譲渡費用3万7800円は、保護期間中の医療費(避妊・去勢手術や検査、各種予防、ワクチン接種)や管理費の一部にあてられる。

 ここでは、普段からいつでも保護猫や保護犬と触れ合えるほか、年に数回、譲渡イベントも行っている。

 また、イオングループの商業施設を中心に全国200店舗以上で展開する「イオンペット」。ここでも、保護猫・保護犬の譲渡をする施設を運営している。その名も「LIFE HOUSE(ライフハウス)」。

 施設内にいる猫や犬は、さまざまな理由で地域行政に保護された子たちだ。「ライフハウス」は全国に13施設あり、そのうち7施設は猫専用「neco.LIFE HOUSE」として展開している。

「店舗にいる保護猫たちは、ノミやダニの駆除、ワクチン接種、病気の治療、マイクロチップ装着、さらに、手術可能な月齢に達している子には避妊・去勢手術を行った上で新しい飼い主にお譲りしています」(イオンペット広報・石田智子さん)

「neco.LIFE HOUSE」はガラス張りで、猫たちが元気に走り回っている様子が見られる。

「ショッピングモールの中に施設があるため、いろいろなかたに保護猫の存在を知ってもらえるきっかけにもなっています」(石田さん)

 譲渡は基本、無料だ。ただし、「家族全員が飼育に賛成している」「毎日欠かさず世話ができる」など、譲渡には厳しい条件や審査があり、さらにペットを飼う際の心構えを学ぶための講習会を受けなければならない。

 日本におけるペットの保護活動は、いまだ多くのボランティアに頼っているのが現状だ。両社はペット用品の販売やトリミングサロン、動物病院なども運営しており、それらの収益を保護活動に回しているという。

「保護猫・保護犬をビジネスに利用していると、厳しい声を受けたこともあります。とはいえ、個人での保護活動は時間や資金などの関係で限界が訪れる可能性があります。ペットショップだからこそできる命の守り方で、1匹でも多くの保護猫・保護犬を新しい家族の元に送り出したいのです」(長野さん)

 ペットの飼い主も、“命の売買”について、考えるいい機会なのかもしれない。

※女性セブン2019年9月26日・10月3日号

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