入管でハンストの後、餓死したナイジェリア人への批判に驚いた

NEWSポストセブン / 2019年10月5日 16時0分

出入国在留管理庁の佐々木聖子長官(時事通信フォト)

 和を以て貴しとなすのは日本人の国民性だ。だが、外国人の問題となると異なる空気が生まれることがある。コラムニストのオバタカズユキ氏が指摘する。

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 日本って残酷な人が多い国なのかな……。そんな思いを抱かざるをえない「事件」報道が、先日、ネットニュースとして流れた。

 朝日新聞デジタルの当該記事によると、今年の6月、長崎県の大村入国管理センターに収容中のナイジェリア人男性が死亡した問題で、法務省出入国在留管理庁が10月1日、その死因が食事や治療を拒否したことによる餓死だったとする調査結果を発表した。男性は、2000年に入国、窃盗罪などで実刑判決となり、仮釈放された2015年に国外退去命令を受け、2016年に同センターに移送されていた。

 そして、男性は一時的に外に出られる「仮放免」などを求めてハンガーストライキを行っていた。入管職員がハンストを把握したのは今年の5月末で、6月上旬までは点滴を受けさせるなどしたが、その後男性が治療を拒否していたという。

 同記事の後段に、こんな文面がある。〈センターは、食事を拒否する収容者は医師の判断で強制的に治療できるとした2001年の法務省通達を、非常勤の医師に知らせていなかった〉。

 当「事件」で最も重要というか残念なのはこの一文の内容である。なぜセンターが法務省通達を非常勤医師に知らせていなかったのかはわからないが、結果、男性を死亡させてしまった責任はとても大きい。以前より入管の収容者に対する扱いのひどさは、難民支援団体などが訴えてきたが、その管理の至らなさから餓死者を出してしまったことは、相当深刻な問題だと思う。

 だいたい6月に亡くなっていて、死因が10月にようやく発表されるっていうのはなんなのだ。7月18日配信の西日本新聞ニュースの記事によれば、〈収容期間は3年7カ月に及び、亡くなる前は隔離された状態で衰弱していたという。センターは死因や状況を明らかにしておらず、支援者からは第三者機関による原因究明を求める声が上がって〉いたそうだ。餓死とわかっていながら、それと知れて批判されることを恐れ、なかなか発表しなかった可能性大である。

 ところが、ネット上での反応を見てみると、私のように問題視しているのは、いわゆる人権活動家のような人たちばかりで、逆に「センター側には問題がない」とし、亡くなったナイジェリア人男性の問題のほうを指摘する声のほうがずっと多く目につく。ヤフーニュースのコメントから主なものを引いてみると、たとえばこんな感じなのだ。

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