安倍自民 野田民主と徹底的に対決の姿勢出せるかが鍵と識者

NEWSポストセブン / 2012年10月3日 16時0分

 自民党では安倍晋三新総裁による新体制が発足し、いよいよ政権を目指した動きが本格化してきている。安倍氏の至近距離で取材を重ねる長谷川幸洋氏(ジャーナリスト)と鈴木哲夫氏(BS11報道局長)が、安倍自民の政権戦略について語り合った。

長谷川:次の政権についていえば、安倍がどこと組むかが争点になる。彼ははっきりと「民主党とは組まない」といっています。

 衆議院で240議席取らないと政権はできない。選挙で仮に自民が170だったら、あと70議席が必要になる。公明党だけでは無理でしょう。維新の会やみんなの党が視野に入ってきますが、(親・霞が関の)石破茂や石原伸晃を取り込んだ上で、それらと組めるかどうか。それは、まさに安倍自民が改革政党になれるかどうかと表裏一体です。

鈴木:安倍自民を中心に見ればそうですが、第三極の側に立つとまた違った見え方になる。維新の会やみんなの党、国民の生活が第一、減税日本、新党大地という“オリーブの木”は、自民党総裁選のお祭り騒ぎの間のこの1か月間、各党間でいろいろな接触を行なっていました。「生活」やみんなの党の番記者まで民自の党首選取材にかり出されたから、第三極の人たちはみな「ノーマークで動ける」って喜んでましたよ。

長谷川:維新は8月20日に(みんなの党の)渡辺喜美と決別したときが一つのピークだったと思う。以来、支持率は急落している。それまでは維新がどこと組むかだったが、いまは誰に組んでもらうかという選ばれる立場になった。

鈴木:たしかに、これまでは維新が他党に踏み絵を踏ませていたが、立場が逆転しつつある。維新抜きの“オリーブの木”側は、まず自分たちをしっかり固めて、維新に「われわれと組みたいならそちらから来ればいい」と、「逆」踏み絵を踏ませる戦術に変えつつある。

長谷川:そもそも維新の会自体が一枚岩ではない。

鈴木:橋下徹・大阪市長と松井一郎・大阪府知事も微妙に気を遣い合う関係ですから。松井はとりあえず「安倍自民とは組まない」といっているが、彼の首から下はほとんど自民党。一方の橋下は全方位外交。維新が分裂する可能性もありえると思います。

長谷川:安倍の真価はすぐに問われます。まず党首会談で「安倍自民は谷垣自民と違う」というメッセージをどれだけ出せるか。野田民主と徹底的に対決する姿勢を示せるかどうか。リトマス試験紙は特例公債法案です。

 野田にとってはのどから手が出るほど成立させたい法案ですが、安倍からすると倒閣の最後の切り札になる。ここで安倍が突っぱねると、政局は一気に流動化してきます。逆に谷垣自民路線を引きずるようだとインパクトがない。

鈴木:結局は官僚寄りの党内勢力をどう抑え込めるか。安倍や彼の周辺には、かつての安倍政権時代のリベンジを果たしたいという気持ちが強いようだが、うまくいくのかどうか。

長谷川:改革志向を打ち出せないと、安倍自民は厳しくなる。総裁選で上向いた自民への支持率も頭打ちになるのではないか。国民はしっかり見ています。

(文中敬称略)

※週刊ポスト2012年10月12日号



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