投資銀行家の人気ブロガー 日本経済破綻説などのウソを暴く

NEWSポストセブン / 2012年10月4日 16時0分

「日本の国家破綻(デフォルト)ですか? いつ、と聞かれても……。大丈夫ですよ、イギリスかアメリカが破綻してから心配すれば、間に合いますから」

 そう笑い飛ばすのは、人気ブロガーの「ぐっちーさん」こと、投資銀行家の山口正洋氏だ。『なぜ日本経済は世界最強と言われるのか』の著者でもある山口氏が日本経済破綻論の大ウソを解説する。

 ぐっちーさんという脱力するようなペンネームだけ聞いて判断してはいけない。山口氏はモルガン・スタンレーなど欧米の金融機関で活躍し、現在はプロ投資銀行家として活動している。氏の有料メルマガ(月額850円)の購読者は数千人を数え、ブログ『ぐっちーさんの金持ちまっしぐら』は、1日3万~5万人がチェックするという。
 
 その経済眼は折り紙つきで、2007年のサブプライムショック前からブログで「世界に100兆円の損失が出る」と指摘していたほど。投資家たちの注目度は高い。

「危ないことは当然予測できました。だって、私はアメリカの投資銀行でCDO(*注1)の開発から販売まで担当していたんですから。そのなかにサブプライムなんて怪しげなものが入ってきたとき“私は断固としてそんな商品を販売しない”っていったら、懲戒解雇されちゃったんです」

 そんなぐっちーさんは、この10月に初の著書『なぜ日本経済は世界最強と言われるのか』(東邦出版刊)を上梓した。軽妙な語り口ながら、昨今常識のように広まっている「経済論のウソ」を徹底的に暴いている。

 例えば、日本国債が大暴落して国家破綻するという説。財務省が大キャンペーンをして、消費増税の根拠にもなったので、国民は“耳タコ”で聞かされた話だ。

 国債暴落の理由としてよく挙げられるのが、「海外のヘッジファンドがカラ売りを仕掛けてくる」というもの。それに対する投資銀行家ぐっちーさんの反論はさすがの説得力だ。

「かつてヘッジファンドが恐れられたのは、100億円という莫大な手持ち資金にレバレッジを掛けて、金融機関から1000億円、場合によって5000億円ぐらいの融資を受けられたからです。しかし、リーマンショック後に金融機関は融資を一斉に引き揚げて、ヘッジファンドはどこも青息吐息。銀行が自己資本比率を13%に保たなければならないこのご時世、そんな危うい融資をする金融機関がどこにあるんですか。

 さらにいえば、万が一、1000億円のカラ売りができたとしても、今の日本国債先物市場の取引額は月間140兆円、1日当たり7兆円ぐらいあるので、影響は微々たるもの。国債をほぼ独占する国内メガバンクとは規模が違い過ぎて、逆立ちしても勝てません。

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