恩師・金田正一さんに捧げた 村田兆治氏の「弔辞」独占掲載

NEWSポストセブン / 2019年10月22日 11時0分

愛弟子が大役を果たした

 史上唯一の400勝投手にして、本誌・週刊ポストの「誌上総監督」だった金田正一氏が、86歳で亡くなった。その葬儀・告別式で弔辞を読み上げたのは、週刊ポスト記事で“指名”を受けていた愛弟子だった──。

 台風19号が東日本を直撃した10月12日に営まれた金田氏の通夜には、近親者に加え、週刊ポスト記者を含む友人・関係者20人ほどが参列。翌日の葬儀・告別式には、張本勲氏、堀内恒夫氏、谷沢健一氏、桑田真澄氏ら約200人が姿を見せた。ソフトバンク球団会長を務める王貞治氏は、同日にCSの西武戦があったため、早朝にお別れに訪れた。

 そうしたなかで弔辞を読んだのが、ロッテ時代の教え子の村田兆治氏だった。この人選は、週刊ポスト特集〈葬式ではあの人に弔辞を読んでほしい〉(2018年5月4・11日号)で、金田氏が“指名”していたものだ。

◆お前、いいピッチャーになるぞ

 記事のなかで金田氏は、V9巨人の“同僚”であるON(王貞治、長嶋茂雄)よりも、〈監督時代にすべてをぶつけた村田兆治だよ。ワシのもとで兆治のマサカリ投法が完成し、日本一にもなった〉と語っていた。

 取材時、金田氏は“兆治が弔辞。面白い!”と笑いながら話していたが、喪主を務めた長男・賢一氏は、「故人の遺志」として村田氏に依頼したという。

 葬儀・告別式の直前には、「ポストのおかげでマウンドに上がるより緊張しているよ」と苦笑いしていた村田氏だが、原稿は用意せず、祭壇の遺影を見つめながら、別れの言葉を切り出した。

「私が座右の銘にしている“人生先発完投”。それを実践できているのは、金田さんに育ててもらったからです。人は誰でも人生という大切なマウンドに立っています。簡単に降板するわけにはいかない。それができるのも、プロ2年目の指宿(いぶすき)キャンプのブルペンで、雲の上の上の金田正一さんから“お前、いいピッチャーになるぞ”という言葉をいただいたから。背中を押されました。金田さんの眼力で私の人生が変わった」

 そして、「その金田さんが1年ほど前の記事で“(弔辞を読む時は)風邪引いてこいよ”と書かれていた」と続けた。前述の本誌記事で金田氏は、歌手・春日八郎氏(1991年没)の葬儀で弔辞を読んだ経験を振り返り、〈たまたま風邪を引いていて、途中で鼻をすすったら、有名な作曲家の先生たちが“あの金田が泣いてるぞ”と揃って感動してくれた〉〈兆治がワシの葬式に合わせて、風邪を引いてくれればいいんじゃが〉と結んでいた。村田氏の言葉は、それを受けてのものだ。

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