定期テストを廃止した公立中、生徒からは復活を求める声も

NEWSポストセブン / 2019年10月21日 16時0分

生徒総会で壇上に立つ世田谷区立桜丘中学校の西郷校長(10月17日)

 昨年の生徒総会で「定期テストの廃止」が決定、本年度から実施して全国から注目を浴びている東京都世田谷区立桜丘中学校。取材班は本年度の生徒総会に潜入した。そこで飛び出したのは、まさかの「“定期テストの廃止”の廃止」だった――。

 桜丘中学校は、校則もなく、服装も髪の色もメイクも自由、スマホの持ち込みもOK。おまけに成績は区内トップクラスといい、公立中学校ながらさまざまな改革に取り組み、「越境してでも行きたい」と注目を集める。実際、今年度の新入生の半数近くが他の学区域からの越境組や転校生というから驚きだ。

 先日放送された、教育評論家の尾木ママこと尾木直樹さんが司会を務める『ウワサの保護者会』(NHK・Eテレ/2019年9月28日放送)では、「校長先生 中学校を変える!」のタイトルで同校の西郷孝彦校長(65)が10年かけて取り組んできた、子ども中心の学校づくりを取り上げたばかり。校長室に生徒が集い、ギター片手に歌ったり笑ったりする様子や、職員室前の廊下で勉強をしたりパソコンをしたりして1日を過ごす生徒らを紹介。多様性を認める校風は大きな反響を呼んだ。

 桜丘中学校での名物のひとつは、全校生徒545人が出席して行われる生徒総会だ。「定期テストの廃止」も、昨年の生徒総会で満場一致で可決された。学校運営に関する要望があれば、だれでも自由にステージに上り、意見を述べられる。それを全校生徒で議論するというスタイルで、昨年はほかにも「体育館の冷房化」「校庭の芝生化」なども可決された。

 10月17日に行われた今年度の生徒総会では、冒頭に西郷校長が生徒にこう語りかけた。

「生徒総会で決まったことは、学校として尊重します。法律に触れることや命に関わること以外なら、先生たち全員でみんなの希望を実現できるように努力します」

 この日は学校公開日と重なったこともあり、外部からの見学者も多く訪れていたが、校長のこうした言葉に、小さなどよめきが上がった。そして、
西郷校長はこう続けた。

「ただし、なんでも人に頼めばいいというものではありません。“こうしてほしい”ではなく、“こういうことをやりたいのでやらせてください”という意見が出るといいな」

◆「受験勉強との両立が難しい。3年生は定期テストを」

 こうしてスタートした生徒総会。真っ先にステージに上がった生徒が発した議案が、まさかの「定期テストの復活」だった。

「積み重ねテストでは日常的に勉強を続けなくてはいけないので、受験勉強との両立が難しくなる。3年生は定期テスト制に戻してほしい。あらためてアンケートを取るのはどうでしょうか」(2年女子)

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