ネットは世の中をどう変化させるか 肯定派と否定派の意見

NEWSポストセブン / 2012年10月11日 7時0分

 リアルの社会で左翼の凋落が著しいのと同様、ネット上でも左派は存在感が薄い。全体として見ると、ネット上では保守的な言論に勢いがあり、掲示板等への書き込みも圧倒的に保守的な発言が多い。一方、左翼は“タコツボ”化し、広がりを持てないでいる。

 そんな左翼を横目に、ここ数年、ツイッター、フェイスブックといったSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を中心として、新しい潮流が勢いを増して若者に影響を与えている。かつて共産党や社会党を闘わない「既成左翼」と批判して過激な行動に出た「新左翼」が生まれたように、“老朽化”した左翼に代わるものとして登場した「SNS新・新左翼」とも呼ぶべき人々である。

 その思想には、いくつかの特徴があるという。ひとつは、SNSなどネットの新しい技術、サービスが普及することで社会に変革が起こり、理想社会が実現するといった技術決定論的な考え方だ。そうした人たちが「左翼」と形容されるのは、社会主義的だからということではなく、既存の社会秩序に革命的な変革が起こると喧伝しているからだ。

 その先駆的存在は2006年に著書『ウェブ進化論』(ちくま新書)がベストセラーとなった梅田望夫氏だろう。氏はその中で「ネットの普及で誰もが表現者になれる」「検索エンジンの進化によってネットの世界が豊かになる」などと主張し、若者に大きな影響を与えた。

 この梅田氏に続くのが『フラット革命』(講談社刊)、『ブログ論壇の誕生』(文春新書)、『2011年新聞・テレビ消滅』(文春新書)などの著者であるジャーナリストの佐々木俊尚氏、『Twitter社会論』(新書y)、『動員の革命』(中公新書ラクレ)などの著者である津田大介氏らだろう。

「リベラルで理想主義」の枠には、ネットに詳しくない人にとっては無名に近い人も多く含まれているが、実は彼らの多くもSNSなどについて著書を持ち、その世界では知られた存在である。やはり「新しい技術、サービスによってバラ色の未来がやってくる」といった世界観を振りまく。

 ちなみに、書名に「革命」「誕生」など劇的な変化を意味する言葉がつくことが多いのも特徴だ。そんな彼らのツイッターのフォロワー数は万単位であり、その考え方に一定の賛同者層が形成されていることを窺わせる。

“ウェブの伝道師”が振りまく技術決定論的な世界観に真っ向から異を唱えてきたひとりが、ベストセラー『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)などの著者であるネットニュース編集者の中川淳一郎氏だ。

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