「太るということは人類の進化を意味する」と南雲医師指摘

NEWSポストセブン / 2012年10月14日 7時0分

 50才を超えても30代に見える医師として大人気の南雲吉則(なぐも・よしのり)先生(57才)が、メタボの改善法について解説する。

 * * *
 “太る”ということは、実は人類の進化を意味する。どういう意味かって? それはね、豊食の時代なんて最近のことで、人類17万年の歴史は、飢えとの闘いだった。だから人間は、食べられるときに栄養を体に蓄えておいて、“空腹時に備える”というように、体が進化したんだよ。

 このとき働くのが“倹約遺伝子”。少し食べただけでも脂肪を蓄え、栄養効率をよくしてくれるんだ。ぼくたちが倹約遺伝子を持つのは、飢餓時代を乗り越え、進化した人類の子孫である証というわけなんだね。

 そもそも脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪の2種類があって、メタボっていうのは、脂肪が皮下ではなく内臓に溜まった状態。厳密には腹囲が男性85cm、女性90cm以上に加えて、脂質異常・高血糖・高血圧のうち、2つ以上に該当する状態のことなんだ。

 内臓脂肪が何のためにあるのかというと、動物が冬眠中、飢えと寒さをしのぐため。内臓脂肪は発熱物質でもあるから、冬の寒い間、特に眠っているときに体温を上げて、エネルギーを体中に送ってくれるんだよ。

 実は、自分で栄養を摂れない赤ちゃんも内臓脂肪をたくさん蓄えている。動物のメスは、妊娠してから冬眠することが多いから、赤ちゃんがお腹にいるおかげで、自分に内臓脂肪がなくても冬を越せるけど、妊娠しないオスは内臓脂肪が必要。だから、男性のほうがメタボになりやすく、実際、40代男性の3人に1人はメタボともいわれているんだ。つまり、内臓脂肪は、過酷な環境で生命を維持するための、大切なエネルギーだったということだね。

 だけど今の時代は、あまり寒さや飢えを感じることはないから、倹約遺伝子が働いて、食べれば食べるほど脂肪がどんどん蓄えられるような体質は、逆に体に負担を与えてしまう。

 なぜなら、内臓脂肪は発熱物質だから、燃えるときに“煤”が出る。これは、“アディポサイトカイン”という、炎症や免疫反応を引き起こす化学物質で、本来なら体に入ってきた菌やウイルスを攻撃するために働くんだけど、菌やウイルスがなくなると、自分の体を無差別に攻撃し始めるんだ。

 いつもお腹いっぱいで、常にアディポサイトカインが出ていると、使われないアディポサイトカインは血管の中を漂って、血管の壁を傷つけてしまう。それによって動脈硬化になり、さらには心臓病や脳卒中を引き起こしてしまうこともある。だから、栄養過多は逆に体に悪いということだね。

※女性セブン2012年10月25日号



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