降圧剤を服用した後に「肺炎」「肝炎」で突然死する例も

NEWSポストセブン / 2019年12月2日 16時0分

薬を飲んで命が…?

 歳を重ねるごとに、飲む薬の量が増えていく。「高血圧」「高脂血症」「糖尿病」などの生活習慣病の治療のためには、長期間薬を飲み続けなければならないケースがほとんどだからだ。裏を返せば、それだけ「副作用」のリスクが増えることを意味する。「薬を飲んだ後の死亡事例」が多数報告されている──。

◆副作用が増える

 高血圧の治療のために降圧剤「オルメテック」を服用していた50代の男性が服用開始の37日後に「劇症肝炎」を発症。医師は投与を中止したものの、その後、帰らぬ人となってしまった──。

 一般的に、高血圧、高脂血症、糖尿病など生活習慣病の治療に用いられる薬は、重篤な副作用は起こりにくいとされている。だが、専門家は“落とし穴”があると警鐘を鳴らす。ナビタスクリニック川崎の内科医・谷本哲也医師がこう話す。

「薬に『副作用ゼロ』はありえません。仮に飲み始めに副作用が出なかったとしても、体調の変化によって薬の効き方が変わってきた際に副作用が現われることがある。

 また、他の病気が重なって飲み続ける薬の種類が増えることで、体に思わぬ影響が出るケースもあるのです」

 薬による副作用が疑われる症例に関する情報は、厚労省が所管するPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)のホームページで公開されている。冒頭で紹介した事例は、そのひとつだ。

 今回、高血圧、高脂血症、糖尿病の治療薬のなかで、60歳以上の処方量上位(厚労省「第4回NBDオープンデータ 内服薬 外来(院外)」)の薬の死亡例を調査した。表は、専門家の協力のもと、PMDAが公表する副作用による死亡の疑いがあるケースを抽出して掲載したものだ。降圧剤で6種類11事例、高脂血症治療薬で3種9事例、糖尿病治療薬で9種24事例ある。

◆降圧剤を服用した後に「肺炎」「肝炎」で突然死した

 冒頭のケースで処方されていた「オルメテック」は、降圧剤で最も多く処方されている薬だ。男性に発症した「劇症肝炎」とは、肝臓が突然機能しなくなる病気で、意識障害など重篤な症状を引き起こす。

 日本高血圧学会がガイドラインで「第一選択薬」とする降圧剤には4つのタイプがある。報告された症例から分析を進めると、注意すべき疾患に微妙な違いがあることが浮かび上がってくる。

 まず、「オルメテック」は降圧剤のなかでも「ARB」に分類される。銀座薬局の薬剤師・長澤育弘氏が解説する。

「ARBは副作用が少ない薬として知られているにもかかわらず、この患者は不幸にも劇症肝炎を発症して亡くなった。なんらかの理由により、薬を代謝する肝臓に負担がかかり、炎症を起こしたのだと推測されます」

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