グルテンフリーに糖尿病、糖質制限に死亡率上昇のリスクも

NEWSポストセブン / 2019年12月8日 7時0分

食べ物に気を使う人は多いが…(写真/AFLO)

 特定の食品を“食べない”ことが大きなリスクとなることがある。近年注目を集める「グルテンフリーダイエット」には「2型糖尿病」のリスクがあると報告されている。

 グルテンとは、小麦やライ麦などに含まれるたんぱく質のこと。グルテンの摂取を控えて免疫力向上やダイエット効果をめざす食事法がグルテンフリーだ。海外のセレブや、テニスプレーヤーのノバク・ジョコビッチらのスポーツ選手が取り入れて、日本でも健康意識の高い人々から支持を得てきた。

 しかし米ハーバード大の研究チームが約20万人の患者の30年分のカルテを分析したところ、1日4g以下のグルテンしか摂取しなかった人は、12g以下の標準的な量のグルテンを摂取した人に比べて、2型糖尿病の発症リスクが13%上昇したのだ。健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子氏が指摘する。

「もともとこの食事法は、小麦アレルギーや、北欧や米国に患者の多い『セリアック病』(遺伝性のグルテン不耐症)のために治療法として開発されました。治療を必要としない一般の方が行なうと、食物繊維や微量栄養素が不足し、2型糖尿病のリスクが上昇すると考えられています」

 炭水化物の摂取を減らす「糖質制限ダイエット」も広く知られているが、こちらは死亡率を上げるとの研究がある。

 国立国際医療研究センターは2013年、糖質の摂取量が最も少ない「低糖質群」(食事全体の30~40%以下)と最も高い「高糖質群」(食事全体の60~70%)を比較解析した結果を発表。それによると、「低糖質群」の総死亡率は「高糖質群」の1.31倍高かった。

 米ハーバード大が約1万5000人を25年間追跡した調査でも、最も死亡率が高かったのは、食事に占める炭水化物の割合が3割以下の人だった。新潟大学医学部名誉教授の岡田正彦医師が解説する。

「糖質は体を動かすために必要不可欠なエネルギー源であり、長期にわたって不足すると様々な悪影響が生じます。とくに危険なのが、糖質を制限しながら、たんぱく質を多く摂取することです。

 2012年に米国、ギリシャなどの研究チームが4万人を15年間追跡した調査では、『炭水化物を20g減らしたうえでたんぱく質を増やす場合、たんぱく質が5g増えるごとに心筋梗塞と脳卒中を合わせた発病率が5%ずつ高まる』との結果が出ました。炭水化物を減らした代わりに、肉などのたんぱく質を多く摂るメニューは避けるべきでしょう」

 美味しい食事は人生の彩りになる一方で、摂取量や食べ方を間違えれば寿命を縮めかねない。健康寿命を延ばして食生活を楽しむために、正しい情報を知っておくことが肝要だ。

※週刊ポスト2019年12月13日号

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