広島小5女児虐待死の28才鬼母 行政は同居を問題ないと判断

NEWSポストセブン / 2012年10月22日 16時1分

 10月1日、広島県府中町の自宅で無職の堀内亜里容疑者(28才、傷害致死容疑)が小学5年生の長女・唯真ちゃん(11才)を死亡させる虐待事件が発生した。練習用のゴルフクラブで、幼い娘を30分以上にわたって殴打する残忍さだった。

 亜里容疑者は17才のときに唯真ちゃんを出産。その後、経済的問題などから離れて暮らしていたが、4才になった2006年3月、家庭センターに「子供と暮らしたい」と願い出る。センター側は「祖母が子育てを支援する」ことを条件にこれを受け入れ、唯真ちゃんは母の亜里容疑者と祖母の3人で共に暮らし始めた。

 しかし、それこそが悲劇の始まりだった。生活能力のない亜里容疑者に育児は荷が重すぎたのだろう。子育てが思うにままならず、「しつけ」という虐待が始まった。同居3年目の2009年2月、近所住民から虐待を疑う一報が東広島市に入った。

 亜里容疑者による虐待発覚後、7才で再び母親と別れた唯真ちゃんは広島県呉市内の児童養護施設に入所した。4人1部屋の2段ベッドに寝泊まりしながら、近隣の小学校に通ったが、一度知った母親を求める気持ちは抑えられないようになっていた。

「家に帰りたい。お母さんと暮らしたい」

 施設ではしきりにそう訴えたという。亜里容疑者がにっこり笑った似顔絵を描き、<おかあさんへ きてくださいね>と綴ったクラス発表会の招待状を母親に送ったこともある。娘の訴えに、亜里容疑者は面会に訪れるようになり、やがて外泊が認められるようになった。

「計20回ほどの外泊を重ね、母子も一緒に暮らすことを希望していました。関係が良好だったので、問題ないと判断しました。ふたりが住んだ府中町には過去に虐待があったことを伝えましたが、“継続して見てください”とは連絡しませんでした」(子ども家庭課児童グループ担当者)

 こうして行政による“見守り”が終了し、母子は孤立を深めていく。厚生労働省の「子ども虐待対応の手引き」では、虐待された子供が家庭に戻った後も支援を継続することが明記されている。ただし、これは義務ではない。虐待の相談件数が毎年過去最多を記録するなか、職員の負担も増しており、すべての親子に対応しきれていない現実もある。

 2010年12月から亜里容疑者と唯真ちゃんは再び同居。今度は「祖母と同居」という条件はなく、亜里容疑者が水商売などで稼ぎながら生活を支えた。この家で内縁関係の男性と3人で暮らしたこともあったというが、この男性とはすぐに別居。

 ほどなくして亜里容疑者による日常的な虐待が再び始まった。亜里容疑者はこれまでの経験からか、虐待が発覚しないよう唯真ちゃんの衣服に隠れるお腹や胸部を殴打した。

 唯真ちゃんは自分が受けている虐待を学校や施設に訴えることはなかった。それをすれば大好きな母親と引き離されてしまう。虐待にじっと耐え、泣き声をあげることもなかったので、近所の人や学校関係者はまったく気づかなかった。

※女性セブン2012年11月1日号



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