面倒くさくて痛々しいけど憎めない“早稲女”について綴った書

NEWSポストセブン / 2012年10月23日 16時1分

【書評】『早稲女、女、男』ワセジョ・オンナ・オトコ(柚木麻子/祥伝社/1470円)

【評者】内山はるか(SHIBUYA TSUTAYA)

 どうやら第三の性別“早稲女(ワセジョ)”というものがあるらしい。

 性別?いや人種といってもよいかもしれない。早稲女とは早稲田大学に通う女子、もしくはOGのことを指す。性質としてプライドが高く負けず嫌い、自意識過剰で自虐ネタが大好物。この自虐グセで周囲を辟易させることも少なくない。

 ガサツで男勝りだが世話好きで面倒見が良い。極めつきに、頭の良い酒豪ときている。面倒くさい、鬱陶しいと思う半面、1本ピシッと芯の通った早稲女のブレない生き方はうらやましく眩しく感じるのだ。

 御多分にもれず立派な早稲女、早稲田大学4年、早乙女香夏子。器量も男受けも悪くない中の上を器用に生きる、立教大学4年、立石三千子。

 とにかくMY王子様がほしい! そのためには努力は惜しまない。モテ女子武装カンペキ、サークルのアイドル的存在、日本女子大学2年、本田麻衣子。

 石橋を叩いて渡るタイプ、堅実なコンサバ女子。内面では普通であることに物足りなさを感じている、学習院大学1年、早乙女習子。

 恋も仕事も守備よく立ち回るザ・デキる女。常に未来を想定し計画的に生きる、慶應大学卒業生、慶野亜依子。

 都会の風にあおられて地味な自分にサヨナラ。とにかくオシャレでかわいければOKの、青山学院大学4年、青島みなみ。

 この物語は早稲女と早稲女を取り巻く5人の女子たちの喜び、苦悩の日々そして成長を綴った女子小説だ。

 柚木麻子さんは人物を描くのがすごくうまい。特に女を描くのは格別に巧いと思う。彼女の描く人物は誰も立体的でリアル、女子たちの攻防はかなり面白い。読みながら自然と自分や友達が重なってきてしまう。女子のやりとりにイラッとしたり、同情したり、応援したり…ちょっと他人事とは思えない。います! こういう人々、いや自分も含めて。あー早稲女、鬱陶しくて面倒くさいけど愛すべき存在なのだ。

 読んで共感しない女子はいないハズだ、間違いなく面白い! 是非、女子のかたご一読を!!

※女性セブン2012年11月1日号



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