ABCマートの高利益率を支えるPB商品 靴業界でも定番化の波

NEWSポストセブン / 2012年10月21日 7時0分

 コンビニ、スーパーなどでお馴染みとなったプライベートブランド(PB=自主企画)商品。メーカーのナショナルブランド(NB)品に比べて利幅が厚く、いま、他の小売業界でも切り札になりつつある。その一つが靴の販売を主とする専門店だ。いまこの業界では主に以下の3社がしのぎを削っている。

■チヨダ:「東京靴流通センター」や「シュープラザ」などの靴専門店を展開。店舗数は日本最大級の1122店(2012年2月現在)。売り上げ1540億円、経常利益113億円。新宿に次ぐ都市型旗艦店「シュープラザ」を今月、上野にオープンし、若者への訴求を強める。「ハイドロテック」シリーズなど、高機能紳士靴のPB商品には定評があり、2007年度に1割程度だったPB商品比率を、現在3割程度まで上昇させた。

■ABCマート:スニーカーやスポーツシューズをファッションの一部として定着させ、若い男性を中心に支持を得る。PB商品に関しては、商品の企画から製造、物流、販売までを一貫して自社で管理する製造小売り業態を採る。「Hawkins」や「VANS」、女性向けの「NUOVO」などが人気。676店舗(2012年5月現在)。売り上げ1407億、経常利益284億。売り上げに占めるPB比率は42~45%。

■ジーフット:「ASBee」「NUSTEP」などを展開するイオン系の靴専門店。家族向けの品揃えが充実。売り上げ921億、経常利益30億。現在20%に満たないPB商品比率を2014年1月期には35%にまで高め、今年から3年間で150店を新規出店する計画を打ち出す。

 目を引くのは、約20%というABCマートの経常利益率の高さだ。これを実現している要因の一つが、40%を超える高いPB商品比率にある。

 好調なのは、サンダルやパンプスといった女性向けPB商品と、ダンスシューズやランニング用のスニーカーなど、機能性を重視したPB商品だ。今年からダンスが中学校で必修になったことや、昨今のジョギングブームも追い風となっているという。10月に入り、新たに40代以上女性向けのPBシューズの販売も開始。これまで20代~30代男性が中心だった客層の拡大を狙い、電話での通信販売も始める。

 そのABCマートの後を、他社も猛追する構えだ。PB商品競争激化の裏には、高い利益率を求めるだけではなく、国内外のメーカーブランドではできない“差別化”を図る狙いもあるようだ。あるベテラン販売員は「各店が店舗数を増やす中で、PB商品は、選ばれるために必須な商品になっている」と語る。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
NEWSポストセブン

トピックスRSS

ランキング