パナソニック 巨額赤字をひっくり返すスマートハウスの実態

NEWSポストセブン / 2012年11月7日 16時0分

 2012年3月期決算で7721億円という過去最大の赤字を計上し、本社の従業員を約半分に減らすなど大幅なリストラ策を打ち出しているパナソニック。

「中小企業の寄せ集め」――今のパナソニックは、そう呼ばれる。牽引役になる部門がなくなったからだ。上位の5商品群が全売り上げに占める割合は、かつてテレビ・オーディオ・録音機・クーラー・暖房で65%という時代もあったが、現在は30%以下。つまり、「何を売る会社なのか」という経営戦略が明確になっていないのだ。

 プラズマテレビは会社を支える商品になれず、結果として「経営戦略の空白期が続いてしまった」(元役員)。

 社員らの証言からも「寄せ集め」についての指摘が数多く出てきた。牽引役不在となった商品についてもそうだが、特にパナソニック、電工、三洋電機の合併に関する意見が目立った。

「パナソニックと一緒になって気づいたのは、会議のための会議が多い。話が決まらないし、前に進まない。遅い体質の会社です」(三洋出身の30代社員)

「パナソニック電工は、基本は体育会系で他の社とは少し企業風土が違う。どうやって融合させていくのだろう」(東京三洋の社員OB)

「この夏のボーナスが激減し、奥さんに嘆かれた人がたくさんいる。自分たちが赤字を出したわけじゃなく、本体(パナソニック)が失敗しただけなのに……」(電工出身の40代社員)

 複数の都市銀行が3メガバンクに再編された時もそうだったように、企業同士の合併では様々な不満が出る。それは仕方ないとしても、次のステップとしてそれぞれの組織をまとめ、進むべき方向を示す経営戦略が求められる。もちろんメーカーである以上、合併により初めて可能になる新しい商品がどうしても必要だ。

 その1つの答えは、「スマートハウス」だ。パナソニックが10月から本格展開していく「HEMS(ヘムス/ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)」がその新たな戦略の鍵となる。HEMSとは、センサーやITを使い、住宅で使用されるエネルギーを管理して電気の使用量を抑える省エネシステムだ。

 電気の使用状況を表示し、同時にエアコンや照明など機器を最適な使用状態に制御していく。電機メーカー各社が意欲を示しており、パナソニックは「スマートHEMS」というブランドで展開する。

 同社は今年2月、発電する太陽光パネル、蓄電する家庭用リチウムイオン電池(容量が大きい旧パナソニック製を採用)などのシステムを発表した。9月には家中のエネルギーを「見える化」し、対応家電などを制御する「AiSEG(アイセグ)」という機器を発表した。

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