快進撃アップル 台湾や中国企業が流れ変える可能性と大前研一氏

NEWSポストセブン / 2012年11月5日 16時0分

「iPad mini」を発表して世界的に話題を集めるアップルの快進撃が止まらない。だが、このまま成長を続けていくかといえば、大いに疑問である、と指摘するのは大前研一氏だ。以下は、大前氏の解説である。
 
 * * *
 アップルは、今や“史上最強企業”となった。時価総額が8月に6235億ドル(約49兆円)を突破し、マイクロソフトが1999年に記録した6205億ドルを超えて史上最高を更新(10月26日時点では約5700億ドル)。今年7~9月期決算でも米IT大手の中で唯一、増収増益を記録した。
 
 スマートフォン(高機能携帯電話)の新モデル「iPhone5」の快進撃に続き、10月23日にはタブレット端末「iPad」の小型化モデル「iPad mini」を発表して世界的に話題を集めた。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いである。

 しかし、このままアップルが成長を続けていくかといえば、大いに疑問である。というか、私は、すでにピークを迎えつつあると見ている。なぜか?

  そもそもアップルが急成長したのは、世界中で“通信革命”を起こしたからだ。つまり、インターネット初期の20年くらい前に流行った「いつでも、どこでも、誰とでも」つながって情報を入手・提供できる「ユビキタス」のネット環境を、PCではなくスマホのiPhoneで可能にし、さらにタブレット端末のiPadを開発してiPhoneに足りない機能を補ったのである。

 だが、次のIT業界の主戦場はスマホでもタブレット端末でもなく、「リビングルーム」である。これは前から私が指摘してきたことだが、もともとジョブズやマイクロソフトのビル・ゲイツやソニーは、最終的にリビングルームを制する者がIT業界を制すると考えていた。これは今も変わっていないと思う。

 ただし、リビングルームの定義は「自宅の居間」ではなく、「その人がいる場所(room in which he is living)」に変わった。つまり、iPhoneが登場して以降は、電車の中も、車の中も、カフェやファストフード店の中も、バスルームやトイレの中も、ネットがつながる場所がすべてリビングルームになったのである。

 とはいえ、なおスマホに取り込めていないセグメントは、未だにリビングルームで漫然とテレビを見ている高齢者をはじめ、けっこう大量に残っている。その市場を奪い合う熾烈な競争が再び始まっているのだ。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
NEWSポストセブン

トピックスRSS

ランキング