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てんかんの神経刺激療法 治療の副次効果でやる気が出てくる

NEWSポストセブン / 2012年11月9日 16時1分

 てんかんは大脳の神経細胞が過剰に活動することで異常な興奮が起こり、意識を失い全身けいれんなどの発作を起こす病気の総称だ。脳卒中や脳腫瘍など脳の病気の増加とともに増えており、厚労省の調査では患者数は約22万人だが、てんかん学会の実態調査によると、約100万人の患者がいると推計されている。

 中でも多いのが側頭葉の先端部や基底部、海馬付近に異常を起こす焦点がある側頭葉てんかんである。左右どちらかに焦点がある症例が多く、近年、外科手術の治療成績が投薬に勝るという調査結果が発表され手術を受ける患者が増えている。新百合ヶ丘総合病院(川崎市)脳神経外科の堀智勝名誉院長に話を聞いた。

「てんかんはMRIによる画像診断で焦点の位置が分かるようになり、特に側頭葉てんかん治療の選択肢として外科手術を受ける患者が増えています。手術を受けた7割の側頭葉てんかんの患者の発作が減少、あるいはすっかり治ってしまう方もいます」

 側頭葉の両側や脳のあちこちに焦点がある多発性てんかんには、迷走神経刺激療法が保険承認されている。事前に胸部に電気刺激発生装置を埋め込み、左頸部の迷走神経を露出させて電極を巻き付け皮下を通してリード線を装置に接続する。

 てんかんの発作の強さや頻度に応じて電気刺激を調整する。専用のマグネットにより外から電気のオン・オフが可能で、患者が発作の気配を感じた時に電気刺激をすることも可能だ。

「この治療は1年より2年と継続することで、発作の頻度や強さが減少してきます。数年すると50%以上発作が治まったという研究報告もあります。迷走神経は脳の深部を活性化させる働きがあり、治療の副次的効果としてやる気と元気がでてきます」(堀名誉院長)

(取材・構成/岩城レイ子)

※週刊ポスト2012年11月16日号



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