世界に誇る伝統工芸 今使えるものへのシフトであの商品にも

NEWSポストセブン / 2012年11月8日 16時0分

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彦根工場創立50周年モデル『ラムダッシュ』を手にする杉原さん

 浮世絵、伊万里や九谷などの陶磁器、日本刀、根付など、海外で高く評価されている日本の伝統文化・伝統工芸は数多い。しかしそうした評価がありながら、事業面や後継者問題などで、一部ながら失われて行く技術があることも現実である。行政の補助金などがある一方で、技術を後世に残すためには、保護的な側面だけでは解決しない問題もあるだろう。

 2011年8月に、新宿パークタワー リビングデザインセンターOZONEにオープンしたmonovaは、「日本のモノづくりの総合ショールーム」として全国の伝統工芸品を製造する企業の東京のPR拠点という役割を果たしている。こうした活動をしているmonovaのプロデューサーである杉原広宣さんに、日本の伝統工芸の“今”や“そこでmonovaの果たす役割”について話を聞いた。

「今は海外など、手を遠くしていけば、安く、簡単にモノができてしまう時代です。それを否定するつもりはないけれど、伝統工芸という世界に誇れるものが多い中で、身近に知ってもらったり、使ってもらったりすることは、必要かと思っています。

 monovaは現在30ほどの地域・企業との取引きがあって、一般の消費者の方からはショップとして、企業にとっては流通関係者やメディアに広く知ってもらう、東京のPR拠点や常設展示場として活用してもらっています。いずれも地域を代表する企業ですが、東京で店舗を構えるにはハードルも多い。そこまでの足がかりとしてmonovaを活用し、いずれここを卒業して、東京にも根を張ってもらいたいですね」(杉原さん・以下「 」内同)

 店内には漆や蒔絵を施されたiPhoneカバー(写真・杉原さんの左横上段)やモダンなデザインの食器類など、現代の暮らしの中でこそ使いたいアイテムが多く並ぶ。

「伝統工芸品ではありますが、“棚に飾っておくもの”ではなく、機能やデザインなど現在進行形で“使えるモノ”を意識しています。monovaのあるリビングデザインセンターは、積極的に勉強したい人や感度の高い人が集まる場所でもあるので、そうした人に“ゆったり見てもらう・知ってもらう場”という感じです。

 また作り手である企業にとっても、流通関係者と商業的に繋がる際に、ある程度の生産数を確保できるものでないと、ビジネスとして成立しません。芸術的な価値を追求したものというよりも、技術とビジネスを両立するアイテムが中心ですね」

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