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成績不振により上司から暴力 どうすれば会社を辞められるか

NEWSポストセブン / 2012年11月14日 16時1分

 竹下正己弁護士の法律相談コーナー。今回は「成績不振で上司が暴力。どのようにすれば会社を辞められるか」と以下のような質問が寄せられた。

【質問】
 会社をリストラされ、新聞広告を見て、今の訪問販売会社に勤めることに。入社の際、最低3年間は勤めるという覚書のようなものを交わしました。しかし成績は思うように上がらず、上司からも暴力を受けました。すぐに辞表を提出しましたが、覚書を盾に応じません。どうすれば会社を辞められますか。

【回答】
 勤務後の経過年数で、違います。労働基準法第14条で、専門知識をもつ者や60歳以上の雇用の場合以外、期間付雇用契約の期間上限を3年としているので、最低3年間勤めるとの覚書は有効です。しかし同法第137条は、上の特例や工期中の継続雇用が必要な場合を除き、労働者は1年を経過すれば、いつでも退職できることにしています。

 これは労働者を拘束すべきではないとの人権尊重の発想に基づきます。もし、1年経過していれば辞表は有効で、離職手続きを申し入れ、応じないときは労働基準監督署に指導を要請するのがよいでしょう。1年経過前だと、簡単ではありません。辞職は、雇用契約の合意解除の申し入れで会社が応諾しないと、効力が生じないからです。

 労働者が一方的に辞職できるのは、【1】使用者側の債務不履行により雇用契約を解除できる場合。【2】民法第628条の「やむを得ない事由」がある場合です。【1】は、賃金不払いなどがその典型で、催告しても支払わなければ、契約解除の意思表示をすることで、雇用契約を終了させられます。

【2】の「やむを得ない事由」とは、「雇用契約の目的を達成できない重大な支障」、「雇用契約を継続させることが著しく不当または不公平となる事由」等とされ、雇用契約を終わりにできます。しかし、その原因が労働者にある場合は、辞職したことで使用者に発生した損害の賠償責任を負います。

 ご質問の場合、上司の暴力行為が辞職希望の理由の一つであり、業務の過程で発生したものです。再発の心配があれば、職場の環境が安全ではないと考えられ、労働者は賠償責任なく辞められます。会社が不満に思っても、職場の暴力は弱みになります。問題はその程度と立証です。労働問題に明るい弁護士への相談を勧めます。

※週刊ポスト2012年11月23日号



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