4月から事実上の「首都封鎖」、その先に待ち受ける事態は?

NEWSポストセブン / 2020年3月30日 7時5分

もはや有事(時事通信フォト)

 小池百合子・都知事は3月25日の緊急会見で「(新型コロナウイルスの)感染爆発が懸念される重大局面だ」として、週末の不要不急の外出自粛、平日は自宅で仕事し、夜間外出も控えるように要請した。

 会見2日前に厚労省が推計した「東京での感染者が4月8日までに530人増える」という予想をさらに上回るペースで伸び、感染爆発が迫っているからだ。

「即、ロックダウンということではございません」

 小池氏はそう説明したが、東京は事実上、4月から封鎖状態に入る。

 東大をはじめ多くの大学が入学式を中止。慶應大は授業開始を4月末、早稲田、東京都立大などは5月の大型連休明けまで延期することを決め、小池氏は都内の他の大学にも「効果のある対策を取っていただきたい」と呼びかけた。春休みで帰省中の学生の多くは5月まで東京に戻らない。

 東京の大学生数は約74万人、そのうち地方出身者が3分の2を占めている。都内の全大学が4月休校を決めた場合、大学生だけでざっと50万人が東京から消えることになる。

 休日の行楽自粛の影響でJR東日本は4月の臨時列車を軒並み運休、東京メトロはイベント自粛とテレワークの広がりで平日の利用者がすでに20%減少しているが、今後、自社の社員の4割が欠勤した場合を想定した大幅減便ダイヤを検討していることを明らかにした。

 空の玄関・羽田空港でも航空各社が大幅運休・減便を決めた。全日空は新入社員の入社の先延ばしに加え、客室乗務員の6割、約5000人の「一時帰休」を労働組合に提案している。これは平均賃金の6割を保障して休暇をとらせる制度で、リーマンショックの際には、自動車、電機、鉄鋼はじめ多くの企業が一時帰休を実施した。

 東京への流入人口は1日約300万人だが、テレワークと一時帰休、イベント中止やレジャー自粛で映画館、劇場、飲食店は休業、公共交通機関の減便がさらに進めば、昼間人口300万人が消え、夜は外出自粛で灯が消えた街になる。

◆待ち受ける生活制限

 その先に待ち受けているのはどんな事態か。感染爆発が起きている欧米の都市の光景を見ればいい。

 3月23日に全土に外出禁止令を出したイギリスでは、食料品や生活必需品を扱う商店以外は閉鎖、外出が認められるのは必要最低限の買い物と1日1回の運動のみ。公園などで3人以上が集まることも禁止され、結婚式を含めた社会的行事も中止。ルールに従わなければ警察は罰金や集会解散を命じることができる。旅行者も対象だ。

 フランスも幼稚園から大学まで無期限の休校、生活必需品以外のすべての商店が閉鎖され、国民には厳しい移動制限措置をとっている。自宅勤務できない通勤者や買い物の外出には「証明書」が必要で、こちらも違反すれば罰金が科される。

 米国はカリフォルニア州、ニューヨーク州などが次々に外出禁止令を出している。トルコでは、重症化リスクが高いとされる65歳以上や持病がある人の外出を禁止した。

 そうした厳しい生活制限を敷いてでも感染爆発を抑えられなければ、最悪の場合、イタリアのように死亡者が続出、火葬場がパンクすることになりかねない。

 東京はいま、その入り口に足を踏み込んだ。

※週刊ポスト2020年4月10日号

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