瀋陽での日米感染拡大を祝う横断幕 共産党宣伝部関与疑惑も

NEWSポストセブン / 2020年3月29日 7時5分

中国でも批判の声が上がったが…

 中国東北部・遼寧省瀋陽市のおかゆ専門店が3月22日から23日にかけ、米国や日本での新型コロナウイルスの感染拡大を祝う横断幕を掲げたことが、中国内でも大きな批判を受けた。このような政治的な問題を題材にした横断幕は通常、地元政府の許可がなければ掲出できないことが多いことから、瀋陽市の中国共産党支部の宣伝担当部署が製造したのではないかとの見方が浮上している。北京紙『新京報』が報じた。

 このおかゆ専門店は北京に本部を置く広東料理のチェーン店「楊ママお粥専家」の瀋陽市太原通り店。

 この店の入り口に張られた赤い横断幕には「米国の感染状況を熱烈に祝賀する。日本での感染が順調に長続きしますように(熱烈祝賀美国疫情。祝小日本疫帆風順長長久久」と書かれていた。日本に対しては「小日本」という蔑称が使われており、悪意が感じられる。

 この写真は23日、中国版短文投稿SNS「微博(ウェイボー)」に投稿されると大きな反響を呼び、批判が殺到し炎上。地元警察が店主を取り調べる事態にも発展した。このため、同日午後の時点で横断幕は撤去されたという。

 この騒ぎでこの店長は辞職し、店側はお詫びの文章をホームページに掲載している。

 微博には「疫病は怖くはない。本当に恐れるべきなのは、精神的に問題のある人間だ」「中国の恥だ」「これで客が増えると思っているのだろうか」などの批判が投稿された。

 気になるのは、瀋陽市に現れた横断幕と同じ内容のものが北京の同じチェーン店でも目撃されていたという微博上の投稿だ。北京でも、同じ時期に同様の横断幕が見られたが、瀋陽市の店舗の横断幕が大きな騒ぎになったことで、北京の横断幕はすぐに取り外されたという。

 ネット上では、ドーム型の半円形の掲示物は中国共産党宣伝部がよく使うもので、掲示する際は地元政府の指導と承認が必要だとの指摘が出ている。この指摘の通りだとすると、地元政府のプロパガンダという見方もできるだけに、この横断幕騒ぎの裏には厳しい反日、反米感情が潜んでいるといえそうだ。

 ちなみに、瀋陽市は旧満州時代の主要都市だった「奉天」のことで、満州事変の発端となった柳条湖事件の現場は市内にあり、その跡地近くに「九・一八歴史博物館」が建設されている。ここには、中国側からみた「九一八事変」(満州事変)以降の「侵略」と「抗日戦争」の歴史が、ジオラマ等を多用した展示により描かれている。

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