イタリアの窮状「老人は死んでもらうしかない」が暗黙の了解

NEWSポストセブン / 2020年4月2日 7時5分

イタリアでは病床数が足りず、簡易ベッドでの治療が続けられる(写真/アフロ)

 世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。ウイルス感染による肺炎は、高齢者ほど重症化しやすいといわれている。

 日本感染症学会と日本環境感染学会の発表によると(2月26日時点)、中国人患者の死亡率は40代までは1%を切っていたが、50代になると1.3%になり、60代になると3.6%と急増。そして、70代になると一気に8%まで上がり、80代では14.8%となった。この結果からわかるように、高齢者ほど死亡率は高くなる。

 小池百合子都知事が外出自粛を呼びかけた3月末の週末、都内の大学病院を訪れた60代男性が不安そうに打ち明ける。

「小池知事の要請もあって本当は外出を控えたかったけど、持病の高血圧の検査があるので仕方なく受診しました。幸い、今回は病院に来る人が少なくてホッとしましたが、持病があるからこれから先も通院しないといけない。待合室で咳をする人がいるだけで、ドキリとします…」

 男性の心配は杞憂ではない。現在、日本各地で院内感染が頻発している。

 3月28日に東京都で感染が確認された63人のうち、ほぼ半数の29人は永寿総合病院(台東区)の患者だった。院内感染者は3月30日現在で96人に達している。

 都内ではほかにも慶応病院や国立がん研究センター中央病院などで院内感染が発生し、全国では兵庫県、群馬県、茨城県などの病院で感染が確認された。

「院内感染の特徴は高齢者が多いこと。そもそも通院したり、入院している患者の多くは持病を持つ年配の人たちです。医師や看護師などを媒介に、体力が低下し、持病を持つ高齢者から感染していきやすい」(医療ジャーナリスト)

 高齢者施設での感染増加も不安材料だ。兵庫県伊丹市の介護施設「グリーンアルス伊丹」では利用者25人と職員7人の感染が確認された。家族を含めると施設に関連する58人が感染し、70代から80代の男女9人が亡くなった。

 もちろん若年層であっても、徹底して感染対策を取ることは大切だ。ただ、60才以上の高齢者の感染拡大は、前出のデータの通り、その重症化リスクの高さから、命を守るためにさらに徹底的に防がなければならない。

 さらに懸念されるのは、重症者が増えれば増えるほど、「医療崩壊」を招く恐れがあるということだ。

 ヨーロッパの現状がその事実を物語っている。アメリカ、イタリアに次いで3番目に感染者が多いスペインでは、すでに医療崩壊が現実のものとなっている。

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