高齢者の感染予防「60代以上は家から出してはいけない」

NEWSポストセブン / 2020年4月5日 16時5分

高齢者の外出にはリスクがある

 新型コロナウイルス感染が拡大するなか、懸念されるのが「医療崩壊」だ。すでにイタリアやスペインでは、新型肺炎に対応する医療従事者や病床などが圧倒的に不足し、処置できずに息絶えていく患者も少なくないという。3月30日現在、感染者数は8万5000人を超えて死者数は7340人。イタリアは感染者数10万1000人で死者は1万1591人。

 ヨーロッパの現状は決して対岸の火事ではない。なぜなら日本は65才以上が人口に占める割合が28.4%と、イタリアを抜いて、世界1位を誇る「超高齢化社会」だからだ。

 それゆえ、日本の病院や高齢者施設でオーバーシュート(感染爆発)が生じて高齢者の感染者が激増すると、イタリアやスペイン以上の深刻な危機に陥る恐れがある。

 高齢者はもともと肺炎で死ぬリスクが高いうえ、感染爆発によってベッドや人工呼吸器などの医療資源が不足すると、「もう死んでもらうしかない」という事態がやって来る恐れがある。医療崩壊したイタリアとスペインではそのような状態になった。

 そうした事態を避けるために何より大切なのは、高齢者を感染させないことだ。

「そのために大事なのは、高齢者がなるべく家から出ないことです」と指摘するのは血液内科医の中村幸嗣さん.

「感染した際のリスクが高い高齢者ほど屋外での活動を自粛してもらいたい。同居したり、近くに住んでいる家族がいる場合は食料品や日用品の買い出しを代わりに行ってもらうのがベターです。この時期は病気が落ち着いていれば、持病の薬も受診せずに家族が代わりに取りに行くことも認められています」(中村さん)

 感染させないためにも、60才以上は家から出してはいけない。ただし、高齢者と家族の接触時間もなるべく減らすことを求められる。

「若年層に多い、無症状の感染者が高齢者にうつすリスクを避けたい。高齢者と家族が直接、接することはなるべく控え、電話やメールでの会話を心がけてほしい。万が一、高齢の親にうつしてしまうと悔やんでも悔やみきれません」(中村さん)

 超高齢化社会の日本では、家族と生活を共にしない「独居老人」の存在も気にかけるべきだ。全国には65才以上の人々が600万人、東京だけで60万人いるという。

「いまこそ地域社会の結束が問われています。難しいことかもしれませんが、近所に独居の高齢者がいれば、何か困っていることはないか声をかけたり、気を使ってほしい。できるだけ高齢者が外出をせずに暮らしていけるよう、行政の目配りはもちろん、隣近所の助け合いが必要なのです」(厚労省関係者)

 とにかく他人との接触の機会を減らすこと、それは家にこもることにほかならない。ただ、その一方で、体力や筋力の維持にも気を配りたい。

 医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さんが指摘する。

「高血圧などの持病がある高齢者がずっと家の中にいると症状が悪化します。これは東日本大震災の原発事故後に福島で生じたジレンマで、高齢者はどこかで体を動かした方がいい。室内での運動が望ましいですが、夜間に近所を散歩するくらいならリスクは低いので、極力体力を落とさない工夫をしてほしい」

 もちろん、外から帰宅した際は手洗い、うがいを徹底することが重要だ。

※女性セブン2020年4月16日号

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