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コロナに対抗 自宅で「肺」を鍛える簡単トレーニングのやり方

NEWSポストセブン / 2020年4月21日 16時5分

 ところが、加齢とともにお腹周りの筋肉が衰えてくると、内臓の重さを支えられなくなってしまう。それに伴って横隔膜も元に戻らなくなってしまいます。そうなると息が吐ききれず“浅い呼吸”になるのです」(柿崎氏)

◆「正しい位置」に戻す

 そうした問題を解消するためのトレーニングが別掲の図の体操【1】だ。仰向けに寝た状態で足を椅子に乗せ、背筋が真っ直ぐになるようにバスタオルを畳んで腰の下に敷く。

「腰を持ち上げた姿勢になることで内臓が頭側に持ち上がり、横隔膜が本来の位置に戻りやすくなります」(柿崎氏)

 全力で呼吸するのではなく、「7~8割の感覚」でやるのがポイントだという。

「できるだけゆっくり、無理のないように深呼吸を続けてください。深呼吸の回数でいえば20回、時間としては2~3分ほど続ける中で、次第に息を吸った時に自然と、胸とお腹の両方が膨らむようになります。その状態が横隔膜が本来の位置を思い出した証拠です」(柿崎氏)

 横隔膜と並んで重要なのが「胸郭」だ。胸郭とは肺を取り囲む肋骨などを含む骨の総称で、肺が膨らむのと同時に、その容れ物である胸郭も広がる。

「胸郭周りの筋肉が固まり広がらなくなると、取り込める空気の量も少なくなります」(柿崎氏)

 もう一つの図に記した【2】は「胸郭」の可動域を広げる体操だ。とくに猫背ぎみで首が前に出ている人は、胸の前面にある筋肉を使いにくいせいで、胸郭が十分に広がらない状態になっているという。

「図のように頭を後ろに倒し、顎を上げるのは、胸前の筋肉をストレッチし、本来の可動域を思い出させることが目的です。

 また、顎を上げる際に胸を手で押さえるのは、胸の動きを感じるため。ギュッと強く押すのではなく、軽く押すのがポイントで、胸の前の筋肉を使い、胸郭が広がっていることが感じられたらOKです」(柿崎氏)

 この体操によって吸って吐く一連の動作がよりスムーズにできるようになり、「使うべき筋肉を最大限、効率的に使った呼吸ができるようになる」(柿崎氏)という。

◆誤嚥性肺炎の予防に

 では、肺を鍛えることは、新型コロナに対しても有効なのか。そもそも肺炎には、ウイルスによるものなど原因は様々ある。誤嚥により肺に細菌が入ってしまう「誤嚥性肺炎」は、高齢になるほど発症リスクの高い疾患として知られている。

 肺を鍛えて十分な呼吸ができるようになれば、前述の通り免疫力の改善が期待できる。

「呼吸機能が良好であれば、一般的に肺炎の重症化リスクが下がるので、新型コロナによる肺炎でも同様に下がる可能性があります。一般の肺炎予防でいえば、肺炎球菌やインフルエンザに対するワクチン接種も重要です」(谷本医師)

 呼吸機能を高めることは、日常生活での大きなメリットにもつながる。

「私の臨床経験からですが、呼吸は自律神経と密接に連動しているので、十分に呼吸できない人は交感神経が優位になり、眠りの質が悪くなったり、疲れやすかったり、集中力が低下しやすくなったりする傾向がみられる。正しい呼吸をすることで、そうした悩みが解消することも多いのです。

 さらに姿勢が良くなるので腰痛が解消し、腕や足の動きも円滑になって、高齢者に多い関節の変性症の予防にもなります。

 老化だけでなく、喫煙など生活習慣によって肺の機能は落ちてしまいます。だからこそ、正しい運動によって、呼吸の能率を高めることは非常に大切だと考えます」(前出・柿崎氏)

 自宅でできる手軽なトレーニング、まずは実践してみては。

※週刊ポスト2020年5月1日号

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