値上がり一途のマンション管理費 区分所有のコスパは悪化へ

NEWSポストセブン / 2020年6月7日 7時5分

首都圏マンションの月額平均管理費は5年連続で上昇している(写真はイメージ)

 コロナ不況の到来により、住宅ローンの返済に窮する人が続出しているが、特に分譲マンションにかかる経費で馬鹿にならないのが、管理費や修繕積立金だ。しかもその額は年々上昇している。住宅ジャーナリストの榊淳司氏が、高すぎるマンション管理費のカラクリに迫った。

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 筆者は東京23区と川崎市のほぼ全域、さいたま市の浦和区などで販売されている新築マンションの現地をすべて調査し、物件別の資産価値を分析する有料レポートを発行している。もちろん、取り上げるすべての物件のオフィシャルページもチェックするが、そういった活動をする中で、気づくことが多々ある。

 例えば、ここ2、3年の顕著な傾向として見られるのが、新たに販売されるマンションの管理費や修繕積立金がやたらと高くなっていることだ。

 そのことを客観的に示すデータもある。東京カンテイが5月7日に公表した首都圏の新築マンションにおける管理費、修繕積立金の推移によると、月額平均の管理費は2019年が1万9085円で5年連続上昇している。また、修繕積立金は2019年が7826円で、こちらも4年連続で上昇した。

 直近10年間の上昇率は、じつに管理費が18.4%、修繕積立金が22.1%にもなっている。もっとも、こういった費用は「戸あたり」ではなく平米単価で比較するのが本来であろうが、一応の目安にはなっていると思う。

 この間、消費者物価はほとんど上がっていない。むしろデフレ傾向にあった年もあるくらいだ。日本銀行の黒田東彦総裁は2013年4月の就任以来、「消費者物価2%上昇」を目標として異次元金融緩和を行ってきたが、この7年の間で一度も目標が達成されていない。

 であるのに、なぜマンションの管理費や修繕積立金は上昇するのか? その理由は人件費の上昇と人手不足、そして建築費の高騰である。

 まず、マンションの管理現場や建築現場での人手不足は、もう10年ほど前から顕著になってきた。その分、人件費は上昇する。

 4年ほど前からは、マンションの管理員不足が鮮明化した。マンションの管理員は、定年退職した元管理職のサラリーマンなどが多い。ごみ捨てや清掃という主な作業のほかにも、一定の事務処理能力や住民とのコミュニケーション能力も求められる。ある程度の社会経験を積んだ方にふさわしい仕事ではなかろうか。

 これまでは、団塊の世代という豊富な人材供給源があった。しかし、彼らは高齢化した。団塊の世代が管理員の標準的な定年となる70歳に達し始めたのは2018年。今やこの世代はすっかり70代。それどころか、間もなく後期高齢者の年齢に達する。

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