コロナで加速? “飲食チェーン”“大食い”に頼るバラエティ

NEWSポストセブン / 2020年6月20日 7時5分

 さらに飲食チェーンはデリバリー対応しているところが多く、コロナ禍で売り上げがアップしたところも多いようです。実際、前述した『帰れま10』はガストの宅配メニューをピックアップした視聴者感情に寄り添うような企画でした。

 また、大食いの映像には、「料理も、食べっぷりも、映像の圧倒的なインパクトで視聴者の目を引きつけられる」というメリットがあります。『有吉ゼミ』の「チャレンジグルメ」がギャル曽根さんらの奮闘もあって高視聴率を連発し、YouTubeでも大食い動画が人気コンテンツになり、新たな大食いスター候補が次々に誕生。飲食チェーンがフィーチャーされていること以外にも、大食い企画が増えているハッキリとした理由があるのです。

◆飲食チェーンは“3密”になりにくい

 もともと飲食チェーンと大食いは、バラエティにとってキーとなるコンテンツの1つであり、これまでもさまざまな番組が放送されてきました。加えて、外出自粛の鬱屈とした期間を経て緊急事態宣言が解除され、「そろそろ外食チェーンくらいならいいかな」と外食がしやすい状況になったことが興味を倍増させているのでしょう。

 飲食チェーンや大食いの企画が放送されると、ネット上に「CM絡みか?」などといぶかる声が挙がりがちですが、テレビ局から見たら必ずしもそうではなく、最優先されているのは視聴率が獲得できるかどうか。まだまだ2月までのように自由な外出がしづらい中、週末に親子、夫婦、友人同士などでそろって見やすく、視聴率に直結しやすい安定感たっぷりのコンテンツなのです。

 実際のところ、まだ民放各局ともに思うようなロケができず、過去に収録した映像にリモート出演などの新撮映像を加えた再編集での放送も少なくありません。しかし、新たなロケも少しずつはじまっていますし、テレビを見た多くの人々が訪れると“3密”になってしまう狭い個人店より、広くて店舗数が多いため“3密”になりにくいチェーン店が選ばれやすいのは当然でしょう。

 これは裏を返せば、飲食チェーンや大食いの企画が多いうちは、「新型コロナウイルスの脅威が解消されていない」ということ。もともと身近なチェーン店や大量に食べることは、「バラエティでわざわざ特集を組むほどではないもの」とみなされ、不況のときほど放送される傾向がありました。だからこそ民放各局のテレビマンたちも、失敗しづらい企画であっても、手放しで喜んで放送しているわけではないのです。

【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。

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