「日本と唐様で書く三代目」豊臣統一と安倍晋三が日本を滅ぼす

NEWSポストセブン / 2020年7月11日 7時5分

 その後リーマン・ショックで大幅赤字に転落したのを契機に、いよいよ新太郎の長男、統一が「大政奉還」により社長に就任。統一は、武田一派を容赦なく社内から一掃し始める。豊臣本家をないがしろにした武田派へのリベンジは凄まじい。

 統一は、持ち株会社構想のキーマンを真っ先に血祭りにあげる。経営企画担当の常務取締役だった武田の腹心を、大阪の系列運送会社の監査役へ飛ばしたのだ。また、豊臣の分家一族にも冷徹さを貫く。かつて、父・新太郎を見下した“トヨトミ中興の祖”の分家筋や、統一よりも人望も実力もあるいとこを子会社に放逐した。

 こうした常軌を逸した復讐心で、いま政権を窮地に陥れてしまったのが安倍首相だろう。

 先の参院選で、公職選挙法違反(買収)で逮捕・起訴された河井克行・案里夫妻に、1億5000万円ものカネを注ぎ込んで広島選挙区に案里氏を立候補させたのは、自民党の大物参議院議員の溝手顕正氏を落選に追い込みたかったからだったと言われている。溝手氏は第一次安倍政権のとき、2007年の参院選惨敗を「首相本人の責任」と厳しく糾弾。その後も陰で安倍の学歴や大腸の病気などあげつらうなど、言いたい放題。堪忍袋の緒が切れた安倍首相は、溝手氏を許せなかった。その私怨から地元・広島県連の猛反対も押し切って、河井案里議員を擁立したのだという。

◆三代目が握る日本の命運

 「売り家と唐様で書く三代目」という川柳がある。

 祖父と父が苦労して商売を大きくしたものの、三代目の孫はぼんぼん育ちで苦労することもなく、ふだんから習い事ばかりをして商売のことを学ばないので、いざ事業を承継すると、とたんに経営を傾かせて、これまで築いてきた不動産を売却する羽目になるが、教養を身につけていたので、借金のかたとして家を売り渡すときには「売り家」と上手な字で(唐様で)書けるという皮肉がこもった意味を持つ。

 たしかに、歴史上、三代目の頃が「鬼門」だ。鎌倉幕府では、二代将軍頼家の息子に三代将軍の実朝の殺害されたことにより源氏の血筋が途絶えた。室町幕府では三代将軍の義満以降は将軍家の権力が衰えた。

 最近の自動車業界で言えば、エアバック生産で急成長した「タカタ」が三代目の代の2017年6月に1兆円を超える負債を抱え、製造業としては戦後最大の経営破綻にいたる。

 三代目は安定期と混乱期の端境期に君臨することが多く、これまで成功してきた勝利の方程式が通用しない局面に差し掛かり、その力量が問われることになる。『トヨトミの逆襲』では、EVを中心とする電動化や、クルマとAIの融合など迫りくる技術革新の波に、三代目の豊臣統一が揺れ動く場面が数多く盛り込まれている。

「ポストコロナ」という“新常態”の時代を、日本は三代目の安倍晋三氏を首相に据えて迎えることになった。「日本モデル」で新型コロナの封じ込めに成功したという“美しい妄想”にひたっている間に、日本経済の屋台骨・トヨタ自動車の時価総額が、イーロン・マスク率いるEVの「テスラ」に追い抜かれた。この国の政・官・業の劣化は日に日に加速している。

「日本と唐様で書く三代目」などと、この国が破綻しないよう祈るばかりだ。(文中敬称略)

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