危険な中国産食品にスーパー「生鮮は使ってないが惣菜は…」

NEWSポストセブン / 2020年7月18日 16時5分

食の「ブラックボックス」に迫る

 中国から輸入された生鮮ニンジンから残留農薬基準値を上回る農薬「トリアジメノール」が検出されたことを6月15日に厚労省が発表したが、同省が公表する「輸入食品等の食品衛生法違反事例」(2018年4月~2020年6月)を見ると、肉や野菜など実に様々な中国産食品から危険な物質が検出されていることが分かる。

 落花生や煎ったピーナッツからカビが生成する化学物質「アフラトキシン」、生鮮タマネギから殺虫剤の成分である「チアメトキサム」、冷凍焼き鳥から糞便系大腸菌群や細菌が検出されるなど数多くの違反事例が公表されている。

 もちろん、中国でも食の安全に対する意識が高まり、衛生管理やチェック体制も改善されつつある。それでも不安が拭えないのは、日本の検査体制の問題がある。

 中国産食品を積んだ貨物が日本に到着すると、全国の港湾や空港の検疫所に配置されている420人の食品衛生監視員が検疫を行なう。食の安全に詳しいジャーナリストの小倉正行氏が指摘する。

「過去に違反事例のあった一部の例外を除き、大半の輸入食品は、無作為に一部を選んで検査する『モニタリング検査』が行なわれるのみです。平成30年度の食品輸入件数は248万件で、検査件数は約20万件。輸入食品の検査率はわずか8.3%です」

 検査で「クロ」と判定されても、商品が市場に流通することがある。

「モニタリング検査は、結果が判明する前に輸入が認められます。輸入業者の多くは結果が出るまで流通を控え、違反が発覚したら全量廃棄などの処置を取りますが、中には結果を待たずに取引先に卸す業者がいる。検査結果が出たときはすでに消費者に回っていることもあります」(同前)

 こうした現状に、スーパーや飲食店も苦慮している。大手スーパー関係者は言う。

「うちは生鮮に関しては中国産を使っていません。これまでいろいろと問題があったし、お客様からの声もあります。ただし、冷凍食品や加工食品はメーカー次第なので信用するしかないし、うちも惣菜については答えを控えます。品揃えの確保もあるから、中国産に頼るのは多少は仕方ない部分があります」

 居酒屋チェーンの関係者もこう言う。

「コストが安いためメニューの多くで中国産を使っていますが、やはり食の安全性には不安がある。各取引先から輸入の検査結果を提出してもらっていますし、自社でも食材から一部抽出して成分調査を行なっています」

 中国産食品がなければレストランやスーパーそのものが立ち行かなくなるという現実がある以上、食の中国依存がすぐに変わることは現実として難しい。だからこそ消費者も食の安全とリスクについて、知識と理解を深めていくしかない。

※週刊ポスト2020年7月24日号

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